GM:
では、時間は進んで翌日のお昼。集会所へと場面を移します。
ところで、集会所へはクレアのことも連れて行きますか?
メイジー:
まあ、今度はそうしないわけにはいかないよね。
エリオット:
あ、ボクはその場にはいないってことでよろしく。
メイジー:
じゃあ、その場にエリオットが来ていないことを確認して、(やっぱりかぁ)と思ってる。
GM:
了解です。ならば、エリオット以外の全員が揃ったところで、村長が尋ねてくるわけです。
村長(GM):
「では、お前たちの出した結論を聞かせてもらおう。もちろん、この村からその子を遠ざけてくれるのだな?」
メイジー:
「ええ、もちろんそうしますよ!」
アルフォンス:
「まあ、当てがあるわけじゃねぇが、とりあえず引き取ってくれそうな人を探して、大きめの街まで行ってみるよ」
GM:
それを聞いた村長は、満足そうにうなずきます。そして、こう付け加えました。
村長(GM):
「勘違いしてくれるな。私とて、お前たちが無事に帰還することを願っている。お前たちも大切な村人であることに変わりないのだからな。だが、立場上、村全体を危険にさらすことはできんのだ」
フェルナンド:
「はい。承知しています」
村長(GM):
「うむ。ならば気をつけて行って来るのだぞ」
レイモンド(GM):
「それでは、村長。我々はこれで失礼させていただきます」
GM:
レイモンドはそう言うと、集会所から出て行こうとします。
さて、エリオットはこのタイミングで登場しておかなくて大丈夫ですか?
エリオット:
うん、大丈夫。
GM:
ならば、あなたたちは集会所をあとにしました。
集会所を出たところで、レイモンドがこう言います。
レイモンド(GM):
「村を出る前に、お前たちに渡しておきたいものがある。それを取りに、俺の家とソフィア婆さんのところに順に寄っていくぞ」
GM:
まず、レイモンドはあなたたちのことを、自分の家の納屋へと連れて行きます。そして、案内されるままに納屋の中に入ってみると、なんとそこには鎧や剣や杖などが所狭しと置かれていました。
アルフォンス:
「オオッ! スゲェー! なんだこれ!?」
レイモンド(GM):
「こいつは城勤めを辞めるとき、退職金代わりにちょいと拝借してきたものだ。この機会に、お前たちの身体にあったものを選んで持っていくといい」
エリオット:
この人、サラリととんでもないことを言う(笑)。
アルフォンス:
「やるじゃん、オッサン!」
レイモンド(GM):
「まあ、クビになりはしたが、俺とてただでは転ばんよ(笑)」
メイジー:
レイモンド先生も相当タフだよね(笑)。
GM:
さて、それでは納屋に置かれているアイテムの中から、好きなものをひとつ選んでください。選択できるのは、〈疾風の靴+1〉、「+1の武器」、「+2の防具」のいずれかです。武器・防具のタイプは自由に選択してもらって構いません。
また、それとは別に、山の民との戦闘でドロップした〈武器:INT+2〉の杖が固定で手に入ります。
アルフォンス:
じゃあ、〈武器:STR+1〉の両手剣をくれ。
「これだ! これ! オレはこいつがいい!」
フェルナンド:
じゃあ、俺は〈防具:DEX+2〉を。
メイジー:
ワタシは風になる! 〈疾風の靴+1〉をゲット!
エリオット:
えーと……それって、ボクも選んでいいのかな?
GM:
一応、GMとしてはここで全員にアイテムを配布するつもりだったのですが、この場にいないエリオットがアイテムを入手するのも不自然ですらからねぇ……。もしほかの人がエリオットの気持ちを察して彼の分も持っていってあげるというのであれば、それは認めますよ。
アルフォンス:
「お! なんだか、よさそうな杖が置いてあるな。これ、どうする?」
メイジー:
「なにかに使えそうだから、とりあえず持っていこうか?」
フェルナンド:
「そうだな。誰も使わないなら、俺が使わせてもらうとしよう」
というわけで、〈武器:INT+2〉をゲットしておく。
エリオット:
あ、ボクは〈防具:DEX+2〉が欲しいんだけれど……。
メイジー:
〈防具:DEX+2〉って……。それをワタシたちが察して持っていくシチュエーションを考えるのって大変じゃない(笑)?
エリオット:
まあ、それもそうだよね(笑)。じゃあ、ここで登場しておこう。皆が装備を整えているところで、納屋の入り口を激しく叩く音が響いたよ。
レイモンド(GM):
「ん? 誰だ?」
GM:
レイモンドが納屋の扉を開いてみると、そこにはエリオットが立っていました。
メイジー:
「エリオット!?」
アルフォンス:
「なんだ、遅かったじゃねぇか」
エリオット:
「ハァ、ハァ、ハァ……。村の門の、ところで、みんなが、来るのを、ずっと、待っていたのに、誰も、来ないから、探しに、きたんだよ……。ハァ、ハァ……」
メイジー:
可哀想に、待ちぼうけ食らってたのね(笑)。
エリオット:
「ボク、決めたよ! ボクもみんなと一緒に行く! お父さんとお母さんに話したら、男だったら村の外の世界を見てきて自分を磨いてきなさいって言われたんだ。それに、いざとなったらお父さんが村を守ってくれるって……『俺に任せろ!』って言ってくれたんだ。だからボクはボクにできることを頑張るよ! ゴメンね。ボク、いつもウジウジしていて……」
レイモンド(GM):
「そうか。とにかく、お前が来てくれて心強いぞ。そういうことであれば、エリオット。お前もここにあるものの中から、自分に扱えそうなものを好きに持っていくといい」
エリオット:
「え? いいんですか?」
というわけで、〈防具:DEX+2〉をください。
フェルナンド:
「なら、エリオット。これもお前が使うといい」
そう言って、〈武器:INT+2〉をエリオットに渡した。
エリオット:
「わかった。これを使って、ボクがみんなのことを守ってみせるよ!」
メイジー:
「頼りにしてるよ、エリオット!」
レイモンド(GM):
「さて、それじゃあ、次はソフィア婆さんのところだな」
GM:
レイモンドの家に続き、あなたたちがソフィア婆さんのところまでいくと、そこではソフィア婆さんがあなたたちが立ち寄るのを今か今かと待ち構えていました。
ソフィア婆さん(GM):
「待っていたよ、お前さんら。さあ、こいつを持っておいき」
GM:
ということで、まずはこれまでの戦闘でドロップした〈速さの秘薬+1〉、〈技の秘薬+1〉、〈力の秘薬+2〉、〈技の秘薬+2〉と、固定で〈回復の秘薬〉を1つ差し上げます。
それに加えて、ソフィア婆さんはあなたたちそれぞれに、〈速さの秘薬+1〉、〈力の秘薬+1〉、〈技の秘薬+1〉、〈知恵の秘薬+1〉、〈奇跡の秘薬+1〉、〈治療薬〉のいずれか1つを渡してくれます。全員、欲しい薬を指定してください。
メイジー:
すごーい! ソフィアお婆ちゃん、大盤振る舞いだね!
アルフォンス:
力だ! 〈力の秘薬+1〉をくれ!
エリオット:
ボクには〈知恵の秘薬+1〉をちょうだい。
フェルナンド:
俺は〈奇跡の秘薬+1〉をもらっておく。奇跡はどの能力値を使った判定にも有効だからな。
メイジー:
ワタシも指定は〈奇跡の秘薬+1〉にしておくけど、ドロップアイテムのほうから〈技の秘薬+2〉と〈技の秘薬+1〉をもらっておくから、〈奇跡の秘薬+1〉はほかの人が使って。
エリオット:
じゃあ、メイジーの〈奇跡の秘薬+1〉はボクが持っておくね。
フェルナンド:
なら、俺はドロップアイテムの中から〈力の秘薬+2〉をもらうとする。〈回復の秘薬〉はメイジーが持っててくれ。
アルフォンス:
最後に残った〈速さの秘薬+1〉はオレがもらっておくな。
GM:
では、そのようにして旅の支度を整えたあなたたちは、昼過ぎにはサットン村を離れ、南方にある港町ポートレッジを目指して旅立ったのでした。