メイジー:
で、城壁塔の下まで行くことになったわけだけど、判定に失敗したときのフォローのことも考えて、ワタシひとりでは行きたくない。ということで――
「エリオット、一緒に行こ?」
エリオット:
「いいよ」
メイジー:
じゃあ隠密行動の判定をするね。目標値は16だったよね?
(コロコロ)結構ギリギリ。〈疾風の靴+1〉の効果をあわせて19。
エリオット:
(コロコロ)あ、ゴメン……。大失敗しちゃった(苦笑)。
メイジー:
えー! よりによって、大失敗しちゃったの!? そんなの、ワタシのリカバリポイントをすべてつぎ込んだとしてもフォローしきれないよ!
GM:
もし、【奥の手】をひとつ消費するのであれば、エリオットが判定に失敗したのを成功に変えられますよ。
メイジー:
ここでこのまま失敗したことにすると、なんだかグダグダになりそう(苦笑)。なので、【奥の手】を消費してもいいかな?
フェルナンド&アルフォンス&イハーサ:
オッケー。
メイジー:
じゃあ、【奥の手】を使います。
GM:
了解です。ならば、あなたたちが貯蔵庫を出て裏手に回ろうとしたところで、不用意に進んでいたエリオットが、上空を旋回していたカラスの視界に入ってしまいそうになりました。
しかし、なんらかの方法でギリギリそれを回避することができました。
エリオット:
どんな方法で回避したんだろう? せっかくだから【奥の手】を使ったメイジーが決めてよ。
GM:
(まあ、本来【奥の手】を使うべきなのは、判定に失敗したエリオットのはずなんだけれどね……)
メイジー:
じゃあ、エリオットがカラスの視界に入りそうなことにいち早く気がついたワタシは、とっさにエリオットのことを茂みに押し倒した!
GM:
では、メイジーのとっさの行動によって、あなたたちはなんとかカラスの視界から逃れることができました。カラスはあなたたちの存在には気がつかずに、そのまま離れたところへと飛んで行ってしまいます。
(とはいえ、大失敗したことに対してちょっとしたアクシデントは起こしておきたいよなぁ……。だったらこうしておくか……)
その一方で、茂みに飛び込んだあなたたちは、これまでにないほど互いの身体を密着させることになります。そして、ふたりの視線が絡み合い――
メイジー:
ごめん、それはちょっと無理! エリオットは男性じゃなくて男の娘なので、対象外!
エリオット:
メ、メイジーのほうこそオトコオンナのくせにッ!
フェルナンド&アルフォンス&イハーサ:
(笑)
GM:
(期待どおりのリアクションをありがとう! 笑)
はい。そうやってなんとかカラスをやり過ごしたふたりは、城壁塔の下へと移動することになります。ですがその途中、あなたたちが鍛冶場の裏手から城壁塔のほうへと向かおうとしたタイミングで、城壁塔の中から出てくるひとりの人物の姿を目撃することになりました。それは赤毛の女性です。
メイジー:
いきなり本命が出てきた(笑)。
GM:
その人物は、杖をつきながら中庭を通って礼拝堂のほうへと歩いて行ったのですが、今のところあなたたちの存在に気がついていないようです。
エリオット:
チャンスっぽいんだけれど、証拠がないから動けない……。
GM:
では、あなたたちは物陰に隠れながら赤毛の女性が礼拝堂の中へと消えていくのを見届けたのちに、城壁塔の下までたどり着いたのでした。
GM:
さて、ここからは1時間経過するごとに、代表者が《D20》ロールをおこなってください。11以上の目がでた場合、イベントが発生します。
エリオット:
あ、ちょっと待って。ここで、“ウィンドボイス”を使っておきたいんだけどいいかな? 貯蔵庫と話ができるようにしておきたい……ってあれ? “ウィンドボイス”って一方通行なんだっけ?
GM:
双方向に話ができるものとして構いませんよ。非戦闘時の魔法行使なので、《D20》の判定をおこなってください。ダイスの出目が5以下だった場合、耐久値が1点減少します。
エリオット:
(コロコロ)成功。耐久値の消費はなし。
GM:
では、風の精霊があなたの声を貯蔵庫まで届けてくれます。
エリオット:
「無事に城壁塔の下まで到着したよ。ちょっと危なかったけれど、メイジーが助けてくれた。……それと、スカーレットのことを見つけた。ひとりで礼拝堂のほうに歩いて行ったけれど、どうする? 今があいつのことを倒す絶好のチャンスかもしれないよ」
フェルナンド:
「スカーレットが礼拝堂に?」
そう口にして、イハーサさんの顔を見た。これでも待つのかって感じで。
イハーサ:
「零時までは俺にくれる約束だろ?」
エリオット:
「なら、このままここで待機するね」
じゃあ、鳩が来ないか見張りを続けるとして、時間経過の判定は誰がやろうか?
フェルナンド:
エリオットに任せた。さっき大失敗を出したばかりだから、今度はいい目がでるだろ。
エリオット:
そうだといいんだけれどね。
(コロコロ)……ゴメン、大失敗(苦笑)。
一同:
(笑)
フェルナンド:
よりによって、また大失敗かよ! どうしたエリオット(笑)!?
GM:
では、メイジーとエリオットは、1時間ほど城壁塔の下で待機していたのですが、鳩らしきものが飛んでくる気配はありませんでした。また、スカーレットもまだ礼拝堂から戻ってきていないようです。
続いて2時間経過したことによる判定をどうぞ。
メイジー:
なんか、エリオットに任せるのは危険みたいだから、今度はワタシが振っておくね。
(コロコロ)でた!
GM:
ならば、2時間ほど経過したころで、バサバサバサと上空からなにやら羽ばたく音が聞こえてきました。そちらへ目を向けてみると、ちょうど一羽の鳩が城壁塔に向かって飛んできているところでした。
その鳩は城壁塔の窓際に降りたつと、くちばしでガラス窓をつつき始めます。しかし、どうやら城壁塔の中から窓を開けようとする者はいないようでした。
メイジー:
その鳩を弓矢で射抜くよ。
GM:
了解です。DEXでの判定を目標値20でどうぞ。
メイジー:
(コロコロ)大成功! 出目だけで20でた(笑)。
一同:
(笑)
GM:
さすがですね。メイジーの射掛けた矢は見事に鳩を貫き、鳩はそのまま城壁塔の真下へと落下していきました。
メイジー:
じゃあ、鳩を拾い上げます。
GM:
では、その鳩の足には通信管がつけられており、通信管の中に一通の手紙が収められているのを発見しました。
もし手紙の内容を読もうとするのであれば、その文字はいにしえの昔、神々が使っていたと伝えられている遺失語で書かれているため、INTによる目標値20の解読判定を成功させる必要があります。
メイジー:
INT判定か。エリオットと一緒にきて正解だったね。
エリオット:
オッケー。ここで解読できれば、移動のリスクを減らせるからね。
(コロコロ)……またしても大失敗。
一同:
(笑)
エリオット:
「こんな難しい暗号、そうやすやすと読めるはずないじゃないか!」
フェルナンド:
大失敗が連発してるな(笑)。まあ、戦闘中じゃなくてよかったけどさ。
GM:
では、判定に大失敗したエリオットに解読できたのは、手紙の最後に書かれた「L」の文字だけでした。
エリオット:
「うん、本文は読めなかったけれど、文章の最後には『L』と書かれているよね」
キリッ!
アルフォンス:
キリッ!じゃねぇよ(笑)!
フェルナンド:
いいから、早く戻ってこい。
メイジー:
エリオットにはここに待機してもらって、ワタシだけ手紙を持って貯蔵庫に戻ろうか? せっかく一緒に行動してても、判定で大失敗されちゃったらフォローしきれないし……。
エリオット:
そうだね。
「メイジー。ボクは引き続きここから礼拝堂の入り口を見張っておくよ。イハーサさんかフェルナンドだったらその手紙を読めるはずだから、貯蔵庫まで手紙を持っていって」
メイジー:
「オッケー!」
じゃあ、ひとりで貯蔵庫まで戻る。もしここで大失敗したら、また【奥の手】を使うしかないね。
(コロコロ)あ、1足りない。ってわけで、“レンジャー”としてリカバリポイントを1点消費します。
GM:
リカバリポイントを使用するときには、かならずその描写を入れてくださいね。GMが承認できない描写の場合には、却下することもありますから。
メイジー:
えーと、それじゃ、書簡を手に入れたことで浮足立ってしまっていたため、カラスの動きに気がつかず、その視界内に入ってしまいそうになりました。でも、それが偶然にもエリオットと隠れたあの茂みの近くだったため、カラスの動きに気がついた瞬間にふたたびその中に飛び込むことができました。そして、猫の鳴き声を真似することでカラスをやり過ごそうとします。
「にゃおーん」
あ、猫の鳴き声はやめておこうかな? 猫がいると思ってカラスが襲いにくると困るし。
アルフォンス:
こいつらは鳩すら襲ってこねぇんだ。それなのに猫を襲ってくるわけねぇだろ(笑)。
メイジー:
それもそうか(笑)。じゃあ、猫の鳴き声を真似て難を逃れようとしました。
GM:
なるほど。了解しました。ならば、メイジーはなんとかカラスの警戒網を突破して、貯蔵庫まで戻ってくることができました。
イハーサ:
それじゃ、さっそく手紙を解読してみるか。
フェルナンド&イハーサ:
(コロコロ)成功。
GM:
では、そこには次のような文章が書かれていました。
「内乱の手はずが順調に進んでいるようでこちらも安心した。我が国とかの国との同盟の行方は依然不透明であり、このままであれば君のほうに頼ることになりそうだ。可能であれば年明けに決起を促して欲しい。そちらからなにかしらの合図をもらえるのであれば、こちらも呼応できるよう準備しておこう。君自身はその火付けが済んだら帰還してくれ。久しぶりに君の顔を見られることを楽しみにしているよ。――Lより」
どうやら、何者かからスカーレット宛てに出された書簡のようです。
メイジー:
「これって、スカーレットが内乱を画策してることの証拠だよね?」
イハーサ:
「ああ。それもこの内容からすると、やり取りの相手はレイフィールド王国の人間だ。これ以上ないほどの証拠を押さえたな」
ちなみに、この内容と「L」という署名で、心当たりのありそうな人物っているのか?
GM:
そうですね。では、INTを用いた目標値25の知識判定を試みてください。
イハーサ:
(コロコロ)成功。
GM:
では、レイフィールド王国の人間で、暗躍に長けていて、Lから始まる名前で、他国との同盟にまで関与できそうな者という条件で記憶をたどってみたところ、イハーサにはひとりだけ思いあたる人物がいました。それは、レイフィールド王国のベネット伯ローレンス・エルバート・フランプトンという人物です。
若かりしころに世界各国を旅して回った剣豪として知られ、統治者となった現在は、レイフィールド国王の懐刀として間者を方々に送り出していると噂されています。
イハーサ:
「ベネット伯か……。なるほど、火付けが好きそうな御仁のことだ。あの人であればやりかねんな」
エリオット:
「レイフィールドって、たしかボクたちの国と戦争しているところだよね? じゃあ、スカーレットは敵国と密通していたってこと?」
イハーサ:
「密通どころか、そもそもスカーレットは敵国の手の者だったということだ。この書簡の内容からすると、ここで内乱を起こし、両国間の戦争を優位に進めようという腹なんだろう」
アルフォンス:
「とにかく、これでスカーレットを討つための準備は整ったってわけだな」