GM:
さて、ちょうど貯蔵庫でスカーレット宛ての書簡の解読が終わったころ、エリオットは礼拝堂からスカーレットが出てくるところを目撃することになります。
エリオット:
「みんな、スカーレットが礼拝堂から出てきたよ」
GM:
その際にエリオットはなにかに気がつくかもしれませんので、DEXによる知覚判定をおこなってください。
(コロコロ)目標値は21です。
エリオット:
(コロコロ)13で失敗。ここはリカバリポイントを使っておこうかな……。
GM:
残念ながら、エリオットは知覚に適したクラスを取得していないので、ここでのリカバリポイントの使用は認められませんね。
エリオット:
あらら……。
GM:
では、礼拝堂から出てきたスカーレットは、建物の中に向かってなにか言葉を発したようなのですが、エリオットにはなんと言っていたのかまではわかりませんでした。
そして、スカーレットは礼拝堂の入り口に外から鍵を掛けると、城壁塔に向かって歩いていき、その中へと入っていきました。
エリオット:
身を隠して、そのことをみんなにも伝えた。
イハーサ:
「礼拝堂の中になにか言葉をかけて、鍵を閉めていた……? なるほど、そういうことか……」
メイジー:
「え? どういうこと? 礼拝堂の中にゴーレムでもいて、それに命令してたってこと?」
アルフォンス:
「なんにしたって、俺たちがやることに変わりはねぇんだから、この際そんなことどうだっていいだろ。城壁塔に乗り込んでスカーレットのことをぶっ倒し、そこでクレアのことを探す。そんで、そこにクレアがいなければ、スカーレットの持ってる鍵を奪って次は礼拝堂だ」
エリオット:
「まあ、そうだね」
フェルナンド:
「じゃあ、城壁塔に向かうぞ」
GM:
城壁塔までの移動において隠密行動をとるのであれば、SPDを用いた目標値16の判定をおこなってください。これは互助可能です。もし、全員が判定に成功したのであれば、カラスに見つかることなく城壁塔へと突入できます。
フェルナンド:
(コロコロ)14で、2足りない。誰か助けてくれ。
メイジー:
(コロコロ)15。うーん、1足りない。
アルフォンス:
(コロコロ)ピッタリ成功。だが、これじゃフェルナンドとメイジーは見つかっちまうな……。
イハーサ:
(コロコロ)20で成功! はたして義足とはなんだったのか(笑)。
一同:
(笑)
GM:
イハーサが達成値の余剰分をフェルナンドとメイジーに分け与えれば、全員成功になりますね。
イハーサ:
じゃあ、「もう少しこっちだ……。ストップ! 今だ、走れ!」といった感じで、フェルナンドとメイジーに助言を送って、カラスの視界に入らないように誘導した。
GM:
ならば、あなたたちは無事カラスに見つかることなく、城壁塔の内部へと侵入することができました。
GM:
城壁塔の内周に沿った螺旋階段を登っていくと、やがて上層の扉の前までたどり着きます。その奥はもともと攻城戦などのときに兵士の詰め所として利用されることが想定されていた部屋であり、普段は予備の武器や防具の保管場所として使われていたはずですが、現在はスカーレットの私室兼研究室となっています。
イハーサ:
「いよいよだな……」
アルフォンス:
「ああ……」
覚悟を決めたら、扉を蹴り破って中に突入だッ!
「うらあッ!」
GM:
扉を蹴破ってスカーレットの研究室へと飛び込んだあなたたちの視界に真っ先に飛び込んできたのは、左右に居並ぶ甲冑でした。また、それと並んで、いくつもの剣と槍が立てかけられていました。そして正面奥に、寝台がひとつ。本棚がふたつ。執務机がひとつ。
その執務机に向かって、なにやら手紙をしたためていた赤毛の女性は、あなたたちが突入してくるまでその侵入に気づいていなかったようで、蹴り破られた扉へと驚きの表情を向けています。
スカーレット(GM):
「あ、あなたたちは……ッ!?」
アルフォンス:
「もう、テメェと問答する気はねぇーッ!」
エリオット:
これ、不意打ちできてるのかな?
GM:
はい、全員が隠密判定に成功しているので、戦闘1ラウンド目の敵側のイニシアチブ値は固定で0とします。ですが、せめてイベント台詞くらいは聞いておきましょうね(笑)。
スカーレット(GM):
「せっかく生かしておいてあげたというのに、懲りもせずにこんなところまで乗り込んでくるだなんて……」
GM:
そう言うと、スカーレットは机の横に立てかけておいた杖に手を伸ばし、その杖で床をポンと突きます。
スカーレット(GM):
「我を守護せよ!」
GM:
彼女がそう一言唱えると、左右に居並んでいた甲冑のうち2体が動き始め、あなたたちの前に立ちはだかりました。それは魔力によって稼働する上級ゴーレムの一種、リビングアーマーです。
GM:
では、スカーレット戦を開始します。
まずは戦闘力推測からおこなっていきましょう。リビングアーマーに対する戦闘力の推測判定はSTRでおこなってください。
一同:
(コロコロ)
アルフォンス:
26!
GM:
26であれば、リビングアーマーのスペックはフルオープンですね。
フェルナンド:
VITが6!? めちゃくちゃ堅いなぁ。
GM:
そして、黒魔法を使うことができるエリオットは、目標値21のINT判定をおこなってみてください。
エリオット:
(コロコロ)成功。
GM:
ならばエリオットには、術者からの魔力供給によって動いているこのリビングアーマーは、スカーレットを倒せば無力化できるだろうということがわかりました。
続いてスカーレットに対する戦闘力推測です。INTによる判定をどうぞ。
一同:
(コロコロ)
イハーサ:
一番高いのは、俺の30だな。
GM:
スカーレットのスペックもフルオープンです。
GM:
彼女は手に大きな杖を持っていて、黒い衣を羽織っています。また、彼女の腰には短剣が提げられているのですが、これは今のところ装備していません。
そして、先ほどリビングアーマーをコントロールするために、杖で床を突いてみせたスカーレットでしたが、その際に一瞬だけ片目を閉じて痛みをこらえるような仕草を見せていました。
エリオット:
なるほど。つまり、レイモンド先生と戦ったときの傷が完全に癒えてなくて、耐久値にダメージが残っているんだね。あれから3日経っているというのに(笑)。
メイジー:
いろいろと忙しかったんだろうね(笑)。
エリオット:
そういえば、クレアはここにはいないの?
GM:
今のところクレアの姿は見当たらないですね。
GM:
では、続いて地形効果を決めていきましょう。
一同:
(コロコロ)
GM:
エンゲージ・エリア1がINT-1、エンゲージ・エリア2がSTR-1、エンゲージ・エリア3がDEX-1と……。今回はきれいに割れましたね。
一同:
(山札から特殊行動カードをドロー)
メイジー:
キタよ、キタよー。これ、いいのキタぞー。
フェルナンド:
俺も結構いい……っていうか、これって……。
フェルナンド:
〈奇跡の秘薬+1〉を飲む。
メイジー:
〈技の秘薬+2〉を飲んだ。
アルフォンス:
オレは〈力の秘薬+1〉を飲んだ。
あと、システム的にはこのタイミングで飲んでるけど、実際には扉を蹴破る前に全員準備してたってことで、脳内補完よろしく。
エリオット:
ボクは〈知恵の秘薬+1〉を飲む。そして、「リディール」する(笑)。
フェルナンド:
いきなり「リディール」って、さっきの3回の大失敗といい、エリオットの運もついに下り坂になってしまったのか(笑)?
ちなみに、俺は1ラウンド目にこの特殊行動を使うんで、あとはよろしく!(と言って、特殊行動カードをほかのプレイヤーたちに見せる)
メイジー:
了解!
GM:
さて、1ラウンド目のイニシアチブ・フェーズですが、不意を打たれた敵側のイニシアチブは固定で0です。PC側のみイニシアチブ判定をしてください。
一同:
(コロコロ)
エリオット:
イニチアチブ値でイハーサさんに負けた(苦笑)。
「さすがはレイモンド先生が認めた人だ。片足でもこんなに素早いだなんて!」
メイジー:
ワタシはイニチアチブ値を0に落とします。
アルフォンス&エリオット&イハーサ:
同じく。
フェルナンド:
じゃあ、俺はリビングアーマーAをエンゲージ・エリア1に連れていく。そして【誘いだし】を使用して、さらにリビングアーマーBをサポート要員として連れ込んだ。
GM:
うぐッ……。一気に持っていきましたね。
イハーサ:
一応確認しておくが、スカーレットに一番効率よくダメージを与える方針で攻めるってことで、リビングアーマーにダメージを与える必要はないんだよな?
フェルナンド:
そうです。
GM:
まあ、たしかにスカーレットにSTRで攻撃して大成功でも出そうものなら、1ラウンドでの戦闘終了もあり得るでしょうからね。ただし、スカーレットを先に倒してしまった場合、リビングアーマーからのドロップアイテムはありませんのであしからず。
エリオット:
だからって、耐久値6点を削るのは面倒すぎるよ(笑)。
イハーサ:
アイテム入手のためだけにリビングアーマーから倒していくっていう選択肢はないな(笑)。
エリオット:
それじゃ、ボクはスカーレットをエンゲージ・エリア2に連れていく。
アルフォンス:
エリオットのサポートに入った。
メイジー:
フェルナンドがサポート欲しいって言うなら、ワタシはフェルナンドのほうに入るけど、どうする?
フェルナンド:
メイジーはSTRが低いから、来てもらってもそこまでありがたくはないんだけれどな(苦笑)。まあ、ほかに適任者もいないし、来るなら来てくれ。
メイジー:
はーい。フェルナンドのサポートに入ります。
イハーサ:
俺はエリオットのサポートに入った。
アルフォンス:
そして、イニシアチブ・フェーズの終わりに、エンゲージ・エリア2で【妨害】を使用。INTの使用を禁止!
GM:
では、同じくエンゲージ・エリア2でスカーレットが【妨害】を使用。STRを禁止します。
エリオット:
つまり、エンゲージ・エリア2はDEXでやりあうしか選択肢がないと(笑)。
メイジー:
あれ、そうなっちゃうの? だったら、ワタシはそっちのエリアに入らなきゃいけなかったんじゃん。
エリオット:
まあ、それは結果論だから、もう仕方ないね。
GM:
では、エンゲージ・エリア1の先攻をどうぞ。
フェルナンド:
リビングアーマーたちにDEXで攻撃。
フェルナンド&メイジー:
(コロコロ)
メイジー:
攻撃値はワタシの30がマックス。
GM:
(コロコロ)こちらはリビングアーマーAの防御値18が有効となります。さらに【鉄壁防御】を発動して、防御値は(コロコロ)28になりました。リビングアーマーAは1点のダメージを受けます。
メイジー:
「堅いッ!」
エリオット:
エンゲージ・エリア2もDEXでスカーレットに攻撃します。
スカーレット(GM):
「フンッ、あくまでも戦うというのね? いいわ。だったら、貴方たちのことも、あの騎士崩れのところへ送ってあげる!」
アルフォンス&エリオット&イハーサ:
(コロコロ)
アルフォンス:
ヤッター! 大成功!
フェルナンド&メイジー&エリオット:
キターッ!
アルフォンス:
攻撃値は(コロコロ)38ッ! レイモンドの剣をスカーレットに向けて力いっぱい振り下ろした。
「レイモンドのとこまでわびに行くのはテメェだーッ!」
GM:
スカーレットの防御値は(コロコロ)13です。アルフォンスの攻撃により、スカーレットは3点のダメージを受けました……。
エリオット:
えっ! これ、どうなるの……?
GM:
スカーレットは胸を押さえて、顔をゆがめます。
スカーレット(GM):
「うぐッ……。あのときの傷もまだ癒えきっていないというのに……」
GM:
以前レイモンドに受けた一撃に、アルフォンスから受けた一撃が重なり、スカーレットはこれ以上戦いを続けられないほどの深手を負ってしまいました。
いやー、ごめんなさい。3点ダメージは一発KOなんですよ(苦笑)。もう少し戦っていたかったかもしれませんが、これでスカーレットとの戦闘は終了です。
一同:
(笑)
イハーサ:
まあ、こっちも短期決戦を狙っていたわけで、そこで大成功が出たんじゃ、仕方あるまい。
メイジー:
そういう作戦をとったのはプレイヤー側だもんね(笑)。
フェルナンド:
見たか! これがダイス目の力だ(笑)!
一同:
(笑)
スカーレット(GM):
「これ以上戦い続けるのはさすがに危険ね……」
GM:
そううめくように呟くと、スカーレットは腰の短剣を引き抜き、それをあなたたちの足元に向けて投げ放ちます。その短剣が床に刺さり込むと同時に、短剣を中心として周囲に闇が広がりました。
闇によって互いの視界が遮られると、それまでスカーレットがいた場所から遠ざかる足音が響きます。スカーレットが撤退を開始すると同時に、リビングアーマーたちは崩れ落ちてしまいました。
アルフォンス:
短剣が刺さったと思われる場所に向かって、剣を横薙ぎに払った。
GM:
では、短剣を横に弾き飛ばしたことによって、闇が払われます。ふたたび取り戻した視界で確認できたのは、窓際に立っているスカーレットの姿でした。
アルフォンス:
「逃げてんじゃねぇぞ、テメェーッ!」
スカーレット(GM):
「まさかここまでやるだなんて……。どうやら、あなたたちのことを見くびっていたみたいね。でも、今更わたしのことを退けたって、もう手遅れよ。だって、百代の子を使ってこの国に災厄をもたらそうとしているのは、このわたしではなく、貴方たちのあるじなのだから。
わたしは、ただ彼の背中をそっと後押ししてあげただけ……。きっと、彼の憎悪に満ちた感情が百代の子の力を目覚めさせ、この国に破壊をもたらしてくれることでしょう。新たな再生のいしずえとしてね」
GM:
そこまで言うと、スカーレットはガラス窓を蹴り破り、そのまま塔から飛び降りてしまいました。彼女が塔から身を投げた直後、大きな羽ばたきの音が響き、暗闇の中に漆黒のカラスが飛び去っていきます。
アルフォンス:
「待ちやがれッ!」と言って、その割れたガラス窓の縁に足を掛けるんだが――
GM:
漆黒のカラスの姿は夜闇に紛れてしまい、すぐに見失ってしまいました。
アルフォンス:
「ちくしょうッ! あの女、また逃げやがって……」
フェルナンド:
「逃げてしまったものは仕方ない。それよりも今は礼拝堂の鍵だ」
GM:
では、あなたたちが辺りを見渡すと、執務机の上に大きな鍵が置かれていることに気がつきます。また、机の上にはそのほかにも、書きかけの書簡と薬品、そして指輪がそれぞれひとつずつ残されていました。部屋の隅には、先ほどスカーレットが投擲した短剣も転がっています。
薬品は〈奇跡の秘薬+2〉、指輪は〈特殊行動リング+1〉、短剣は〈武器:DEX+2〉です。
一同:
おおー!
GM:
それらに加えて、この部屋には城塞騎士用の武具がいくつも置かれています。武器はすべて〈武器:STR+1〉、防具はすべて〈防具:STR+2〉です。
さらに、スカーレットを倒したことによるドロップアイテムもここで手に入れることができますので、どなたか判定をおこなってください。
エリオット:
ここは、スカーレットを倒したアルフォンスが振っておきなよ。
アルフォンス:
わかった。
(コロコロ)
GM:
なんと、〈特殊行動リング+1〉がドロップしました。これは執務机の中に入っていたことにします。
フェルナンド:
ふたつ目の〈特殊行動リング+1〉、キター(笑)!
アルフォンス:
キャラクターとしてはここでのんびりしてたくないんで、机の上の鍵を手に取り、書きかけの書簡のほうは中身も読まずグシャっとつかんでイハーサに渡したら、そのままノンストップで礼拝堂に向かう。
「待ってろよ、クレア。今助けにいくぞ!」
メイジー:
じゃあ、「なにかの役にたつかもしれないから」って言って、ワタシがそのほかのアイテムを拾っておいたことにするね。
GM:
(うーん、このあとの戦いのために〈防具:STR+2〉を用意しておいたのだけれど、誰も持っていかなかったか……。さて、どうなることやら)