LOST ウェイトターン制TRPG


宮国紀行イメージ

宮国紀行 第1話(01)

GM:
 それでは、これからLOSTのキャンペーンを開始します。これでLOSTのキャンペーンは2度目ですね。

プレイヤーA:
 近ごろは単発セッションが多かったから、久々のキャンペーンだな。

GM:
 今回のキャンペーンではカーティス王国を舞台として、王国南東の辺境に位置する城塞都市イスパルタから王都カドゥンを目指して旅をしてもらいます。
 当初の予定では「宮国道中記」というタイトルで、お気楽なロードムービー的キャンペーンにするつもりだったのですが、プレイヤー全員一致でシリアス系のキャンペーンを行いたいとの要望がありましたので、「宮国紀行」とタイトルをあらため、シリアス路線でやっていきます。わたしはてっきりライトノベル的なノリが皆さんのお好みかと思っていたんですけれど、ちょっと意外でしたね。

プレイヤーB:
 俺はライト・シリアスのどっちでも構わないんだが。

プレイヤーC:
 たまには真面目にやるのも良いと思いますよ。

GM:
 このメンバーだと、一番Cさんがライトなノリを好みそうなんですけどね(笑)。まあ、全員が望んでのことですし、シリアス路線で頑張りましょう!
 それでは、あらためてよろしくお願いします。

一同:
 よろしくお願いします。

GM:
 さて、セッション本編に入る前に、今回のキャンペーンを行うにあたっての目標を3つ掲げておきます。
 まず、このキャンペーンを通じてLOSTのルールを覚えると共に、リプレイを読んだ人にもルールをある程度覚えてもらえる内容にするということです。そのため、複雑なルールに関しては、都度GMから補助説明を入れていくことにします。

プレイヤーB:
 以前のキャンペーンのころと比べるとLOSTのルールは随分と変わったからな。

GM:
 はい。これまで皆さんが何度もプレイしてくれたおかげで、LOSTのルールもかなり洗練されてきました。今回のキャンペーンはその総仕上げの意味合いもあります。
 そうそう。いま何気なく言ってしまいましたが、このキャンペーンはリプレイとして書き起こします。そして、インターネット上で公開しますから、そのつもりで。

一同:
 えっ!?

GM:
 リプレイに書き起こしてあとで読み直すと、自分のプレイのどこが良くて、どこが悪かったのかがよくわかりますよ。皆さんも「聖域の守護者」を読んでみてそれがわかったでしょう?
(本キャンペーンの参加者は「聖域の守護者」には参加していません)

プレイヤーC:
 たしかにそうですね。個人情報が特定できないように編集してくれるなら問題ありません。

GM:
 それはもちろん。このメンバーだと内輪話が多いことが予想されますからね。そういったところはバッサリと編集してしまいます。公開前に皆さんにも一度内容を確認してもらって、了解を得てから公開します。

プレイヤーA&プレイヤーB:
 ならオッケー。

GM:
 了解してもらえてよかったです。
 では次の目標ですが、カーティス王国がどんな国であるかを紹介できるワールドガイド的な内容となることを目指してプレイしていきたいと思います。もちろん、それらの情報はおもにGMから出していくことになりますが、プレイヤーの皆さんも、行く先々の街や街道の特色やそこに住む人々の生活などに注目してプレイしてもらえると助かります。

プレイヤーB:
 カーティス王国というと、これまでやった単発セッションに登場した城塞都市カルカヴァンとか魔導師ウォーベックとかも出てくるのか?

GM:
 はい。旅の途中で城塞都市カルカヴァンを通る可能性は極めて高いです。残念ながら時代設定的に魔導師ウォーベックはすでに他界していますが……。他にも、皆さんが初めてLOSTをプレイしたときの冒険の舞台となったロイド島もカーティス王国領ですよ。

プレイヤーA:
 ロイド島か。随分懐かしいな。

GM:
 プレイヤーの皆さんは、これまで行ってきたセッションで断片的にカーティス王国に関わってきていますからね。そこらへんもキャンペーンの中に絡められると話に深みがでて良いですね。
 そして、最後に掲げる目標は、プレイヤー主導の物語作りを心掛けましょう――ということです。今回、事前にGMから「カーティス王国の辺境の地から王都へ旅する物語」というアウトラインを伝えたうえでプレイヤーキャラクター(以後PC)を作成してもらっていますが、PCたちがどんな目的を持って王都を目指すことになるのか、といった物語上とても重要な部分はそれぞれのプレイヤーに委ねています。それ以外にも、この旅の途中でどんな冒険が繰り広げられていくのかは、今後キャンペーンを進めていく中で、プレイヤーの意見をできる限り汲み取って作り上げていきたいと思います。

プレイヤーA:
 プレイヤー主導で物語が作られていくとなると、キャラクター設定がブレたりしたときにはたいへんなことになるな……。

プレイヤーC:
 Aさんは、いつもブレブレですからね(笑)。

プレイヤーB:
 好きにやらせると、セッションの前半と後半でキャラクターが別人になるからな……。

プレイヤーA:
 いや、今回こそはキャラクター設定を固めていくぞ!(と言いつつ拳を固める)

GM:
 気合が入ったところで、まずはキャラクターシートを配りますね。
(すでに半分以上の欄が埋まったキャラクターシートをプレイヤーに配ってから)
 今回は前もって各自にある程度までキャラクターシートを作っておいてもらいましたが、まだ所持アイテムや魔法の選択など必要な情報の埋まっていない箇所がいくつかありますので、セッションを開始する前にそれを埋めてください。

プレイヤーC:
(以前、自分が作ったキャラクターシートをしげしげと眺めて)僕、こんなキャラクターでしたっけ?

プレイヤーA&プレイヤーB:
 おいっ(笑)!

 こうして、あらかじめ作っておいたキャラクターをもとに、必要なアイテム類の買出しを行うなどして完成したキャラクターシートが次のものです。


アゼル・クルト(プレイヤーA)

第1話キャラクターシート:アゼル

 カーティス王国の弱小氏族であるクルト族当主ジャフェルの甥。両親はアゼルが幼いころに他界。その後は、母方の伯父であるジャフェルに引き取られ、本当の家族のように育てられた。
 両親を亡くしたアゼルに対して、ジャフェルから正式な養子として本家に入らないかとの誘いもあったが、その誘いは断っている。
 幼少時代は頭脳明晰で、その反面、運動能力はさほど高くなかったが、いつからか傭兵であった父親の背中を追いかけるように、剣の修行に没頭するようになった。


イーサ(プレイヤーB)

第1話キャラクターシート:イーサ

 孤児であり、カーティス王国の中原にある田舎村でハルヴァ神の教えを説く白魔法使いの老婆に引き取られ、育てられた。老婆に教え込まれた白魔法だけでなく、村の呪い師の手ほどきによって黒魔法をも習得するなど、優れた才覚を見せる。
 その後、村を訪れた探索者から教えてもらった外の世界や、遺跡探索の冒険譚に憧れ、20歳になると、ついにカーティス王国各地を見るための旅にでた。
 いろいろなことに興味を示し、なんでもそつなくこなす一方で優柔不断なところがある。


エルド(プレイヤーC)

第1話キャラクターシート:エルド

 カーティス王国ではマイノリティである黒い肌の少年。
 元奴隷を自称しているが、16歳にして黒魔法の教育を受けているうえに、斥候としての技術も有するなど、謎が多い。


 今回のキャラクター作成では、年齢に応じて経験点と能力値に修正を与えています。年齢を高くすると経験点が多くなる反面、能力値は低くなり、逆に年齢を若くすると経験点が少なくなって、能力値が高くなる仕組みです。総合的な戦闘能力では年齢が高いほうが有利になります。当初GMは20代半ばくらいのPCを想定していたのですが、各PC共に想定より若い年齢設定となったため、戦闘力には乏しい状態でのスタートとなりました。

 また、イーサとエルドは、PC作成プログラムを用いて能力値の合計がそれぞれ96と104になるようにランダム分配したのに対して、アゼルはサイコロを振って出した値を元に、修正値を加えて、能力値の合計が98になるようにしています。サイコロの目に運命を託したアゼルでしたが、その結果として本来望んでいなかった知力が高くなってしまい、そのほかの能力値が低くなってしまいました。そのため、修正値で無理やり戦士向きの能力値となるように成長させています。なぜアゼルは不得手な剣の道を選んだのか――などといったことが今後物語の中で語られるかもしれません。




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