GM:
場面は翌日の早朝、城塞都市イスパルタにある宿屋に移ります。そこには朝の軽食をとる2人の旅人の姿があります。ひとりは探索者アル、もうひとりはイーサです。前日の夕方過ぎに市内に入ってから、しばらくは市内をぶらつく時間がありました。
アル(GM):
食事の席で小さな果実を口に運んでいたアルが、イーサに話しかけてきました。
「イーサ。街の中央広場に出されてる立て看板のことはもう知ってるか?」
イーサ:
「立て看板? 何かあったのか? 人だかりがあったのはわかったが、わざわざその中に入ってまで見ようとは思わなかった」
アル(GM):
「そうか。俺は昨晩のうちに見たんだが、何でも、ヤウズ王子が新王として即位するにあたって、王直属の部隊を新設するらしい。それで50人ほど腕自慢を募ってるんだとさ。その部隊の報酬ってのがなかなか凄くてな、支度金だけでも金貨1,000枚、月の給金は金貨500枚。さらに仕事の内容に応じて手当がでるんだってよ」
イーサ:
「凄いな、そりゃ。だが、50人っていうんじゃ、狭き門だな」
アル(GM):
「そうだな。たしかに倍率は高い。だが、公募だっていうんだから驚きだ」
イーサ:
「一攫千金のチャンス……か。ただ、俺はそんな堅苦しいのは面倒臭くて嫌だけどな。アルだって、そんなもんに入っちまったら探索者として活動できなくなっちまうだろ?」
アル(GM):
「お前も探索者について少しはわかってきたみたいだな。どんなに金回りがよかろうが、王の直属兵は所詮決められた道を歩くだけの勤め人だ。だが、聖域探索をやっていれば、それこそ、想像を遥かに超えたとてつもない財宝を掘りあてることができるかもしれない。俺はそっちの浪漫を取るね」
イーサ:
「そっちの方が断然楽しそうだ」
アル(GM):
「じゃあ、俺とカルカヴァンで聖域探索に明け暮れるか?」
GM:
そして、このキャンペーンから離脱ですね!
シーン外のエルド:
斬新すぎるエンディングです(笑)。
GM:
すみません、思わずメタ発言が(笑)。
アル(GM):
「お前にその気があるなら、考えておいてくれ。それじゃ、俺はメシを食い終えたら早速カルカヴァンに向かう隊商に護衛として登録してくる。お前は街の中でも見てくるんだな」
イーサ:
「ああ。店が開く時間になったら、街に出て弓と紙を買ってくる」
イーサに投げかけられたアルからの聖域探索への誘い。このキャンペーンではあくまでも王都までの旅を追っていくつもりですので、旅をやめてしまえばそこから先の物語には登場できなくなりますが、それもまたひとりの人物の選択です。イーサの選ぶ道ははたして?