LOST ウェイトターン制TRPG


宮国紀行イメージ

宮国紀行 第3話(24)

GM:
 さて、3人がふたたび牡牛の角亭に集まったのは13時過ぎ。あと1時間ほどでタルカンとの約束の時間です。

イーサ:
 まず、“センス・マジック”を使って、イスメトのところに報告に行ったアゼルの装備に魔法がかけられているかを確認しよう。(コロコロ)発動。

GM:
 はい。案の定、アゼルの帯剣ベルトには魔法が付与されていました。

アゼル:
 よし。それじゃ、14時にタルカンの屋敷につくように宿屋を出よう。

エルド:
 まってください。その前に、イスメト様に話した嘘の報告内容について、紙に書いておいてください。それをタルカンさんに伝えておかないと、話を合わせてもらえなくなっちゃいますからね。

アゼル:
 なるほど。それじゃ、さっきイスメトに言った内容を紙に書いておく。

GM:
 了解しました。では、タルカンのところに赴いたところまでシーンを進めます。


タルカン(GM):
「いらっしゃい。待っていたわよ」

アゼル:
 さっき書いた紙をタルカンに見せる。

タルカン(GM):
 それを見たタルカンは話を合わせてくれます。
「約束したとおり、バスカン一座のテントに怪しい人の出入りがないかアリ座長に確認をとってみたけれど、座長は怪しい者を見かけたことなど一度もないと話していたわ。一応、アリ座長には一座のテントを調べる許可ももらっておいたけれど、調査してみる?」

アゼル:
「そうですね……。せっかく許可を得ていただいたのですから、自分たちの目で調べたいと思います」

タルカン(GM):
「そう。わかったわ。じゃあ、公演が終わってからなら自由に調べていいと言われているから、18時になったらバスカン一座のテントに向かいましょう」

アゼル:
(わざとらしく)「18時? ……もう少し早くから調べられませんか?」

タルカン(GM):
「いまさらダメよ。もう約束を取り付けちゃったんだから。それに、公演中に下手に出入りするわけにもいかないでしょう?」

アゼル:
「う……。仕方ない、少し遅れることになるが、なんとか許してもらおう……」

タルカン(GM):
「あら? ほかになにか予定でもあったの?」

アゼル:
「い、いえ。なんでもありません」

タルカン(GM):
「そう。ならいいわ……。それで、これから18時までなんだけれど……。アリ座長に約束を取り付けてあげたお礼として、戦盤に付き合ってちょうだい。これはお願いじゃなくて命令ね。断るなら、バスカン一座のテントを調べる件は破談よ」そう言ってタルカンはほくそ笑みます。

アゼル:
「むう……。ここまで来てテントを調べないわけにはいかないからな……。わかりました。お付き合いしましょう」

タルカン(GM):
「商談成立ね。それじゃ、隣の部屋に戦盤の用意があるから、そちらに移りましょう」

GM:
 タルカンに連れられて隣の部屋に向かうと、そこにはたしかに戦盤が用意されています。しかし、それだけでなく、着替え用の服も用意されていました。派手さはないものの、タルカンが用意しただけあってなかなかに仕立てのよい服です。

タルカン(GM):
 タルカンは戦盤の前の席に座るとこう言います。
「なにか飲み物や軽食でも欲しければ、遠慮なく部屋の外にいる執事に言いつけてちょうだいね。それとアナタたち、人の家の中でくつろぐのに、腰に得物を提げたままというのは失礼じゃなくて? 腰から外してその机の上に置いておきなさい」

アゼル:
 うむ。それじゃ、俺の装備に掛けられている魔法の効果時間が過ぎるまで戦盤を指して時間をつぶすとするか。

GM:
 え……?

イーサ&エルド:
(失笑)

エルド:
 アゼルさん、本気で言ってるんですか?

アゼル:
 え? なにが?

エルド:
 だから……。この状況は、タルカンさんが戦盤を指している風を装ってくれているあいだに、ここにある服に着替えてギズリさんを捕まえに行って来いってことですよ。

アゼル:
 でも、魔法が切れる前に外に出て行ったら尾行してるイスパルタ兵に気づかれちゃうだろ?

イーサ:
 なぜ、そうまでして帯剣ベルトを持っていこうとする。普通に置いていけよ(苦笑)。

アゼル:
 帯剣ベルトを置いてくってことは、武器を持たずに行けってことなのか?

イーサ:
 そんなもん、手で持つなり紐で結わうなり好きにしろよ(笑)!

GM:
 えーと……。そうですね……。着替えの中には帯剣ベルトも用意されていたということにすれば満足してもらえるでしょうか? まあ、別にタルカンと戦盤勝負してもらっても構いませんけどね。でも、アゼルが対面の席に座ったら、ここまでお膳立てしたタルカンもとりあえずグーで殴るでしょうね。「アナタ、馬鹿なの?」って言って(笑)。

一同:
(爆笑)

アゼル:
 それは遠慮しておく(笑)。それじゃ、これまで装備していた帯剣ベルトを外して着替え終えたら、静かに部屋から出て行こう。

エルド:
 えーと、タルカンさんが用意してくれていた着替えの中に女物の服はありますか?

イーサ:
 え? まさか女装する気なのか!?

エルド:
 ええ。こういうときにこそ、僕の高い魅力ステータスとスカウト技能の“変装”が役に立つんです(力説)!

GM:
 いいでしょう(笑)。では、町娘用の衣装も用意されていたことにします。全員着替え終えたのであれば、装備はクロース扱いとしておいてください。
 あなたたちが着替えを終えて部屋から出てみると、廊下には執事と頭にターバン巻いたいかにも商人風の男が控えていました。

執事(GM):
 執事があなたたちに向かって静かに頭を下げます。
「お待ちしておりました。こちらはマフムート様です。旦那様より、ここからはマフムート様の案内に従うようにとことづかっております」

マフムート(GM):
 執事から紹介されたターバンの男は、胸に手を当てて小さく一礼しました。
「アスラン商会のマフムートと申します。タルカン様の命により、この街にある連れ込み宿の中で連泊しているであろう部屋を調べ上げております。連れ込み宿での連泊は公には認められておりませんので、かなり絞り込むことができました」

イーサ:
「連泊は認められていないのか」

マフムート(GM):
「あくまでも紳士協定の範疇ですがね。普通の宿としても利用できるようにしてしまうと、ほかの宿屋からの風当たりが強くなるのですよ……。まま、そういった話はさておき、私どもが突き止めた部屋は3つ、うち2つは同じ宿の部屋でしたから、宿としては2軒ですね。ひとつは“憩いの森”という名前の宿で、2階の1室の窓が閉めきりとなっています。もうひとつは“天使の揺り籠”という名前の宿で、こちらには1階と2階にそれぞれ1室ずつ窓を閉め切った部屋がありました」

エルド:
「いつから連泊しているかまでは調べられなかったんですか?」

マフムート(GM):
「残念ながら、昨晩から今日の昼までの情報に過ぎません。私どもはあくまでも清掃時間中にも窓が閉めきられていた部屋を洗い出しただけですからね」

アゼル:
「なるほど。だが、それだけわかれば十分だ。では、さっそくだがその2つの宿まで案内をよろしく頼む」

GM:
 こうして、マフムートの案内を受けて、あなたたちはトゥルナゴル邸の裏口から出ると、人通りの多い表通りを避けて歓楽街の娼館通りを目指して進んでいきました。


GM:
 案内された2つの宿は互いにおよそ1キロくらい離れた場所にあります。

マフムート(GM):
 2つ目の宿が見えるところまで来たところで、マフムートはその歩みを止めました。
「先ほどの宿が憩いの森。そして、あちらが天使の揺り籠となります」

アゼル:
「なるほど。案内ありがとう」

マフムート(GM):
「では、私はこれにて失礼いたします。必ずやタルカン様とのお約束を果たされますように」
 用件を済ますと、マフムートはあなたたちに一礼して去っていきました。

GM:
 ここで宿の作りを外側から見てわかる範囲で説明しておきます。
 どちらの宿も2階建てで、窓枠には格子がつけられています。そして、入り口のある正面は大き目の通りに、出口のある裏側は裏通りに面しています。入り口と出口は建物の端に作られており、どちらも受付を通らないと抜けられないようになっています。

アゼル:
 入り口と出口、どっちを見張るべきだろう?

エルド:
 意外ですね。アゼルさんなら問答無用で乗り込んでいくんじゃないかと思っていましたよ。

アゼル:
 いやいや。そんなことしたら、それこそ犯罪者になっちゃうだろ。

イーサ:
 見張るにしても、ギズリたちが魔法で変装していたら見破れるのは俺だけってのがきついところだな。

エルド:
 だったら、宿から出てきた客に片っ端から“バインディング”を掛けて取り押さえるっていうのは――

アゼル&イーサ:
 やめろッ(笑)!

エルド:
 まあ、それはさておき、一度宿の中を調査してみませんか? 怪しい部屋がひとつだけの憩いの森に入ってみるのがいいですかね。

アゼル:
 いや、だから無理やり乗り込んでいくのはまずいって……。

エルド:
 誰が無理やり乗り込むって言いました? なんのために僕が女装してきたと思っているんですか。さあ、アゼルさんかイーサさんのどっちか相方役を務めてください。正面から利用客として潜入しますよ。

アゼル&イーサ:
 おお! なるほど!

アゼル:
 でも、なんか嫌だな……。俺、ソッチ方面の趣味ないし。

エルド:
 趣味でやってるとでも思ってるんですかッ!? いいからさっさと決めるッ(怒)!

アゼル:
 ……じゃあ、ランダムで奇数ならイーサ、偶数なら俺ってことで……。(コロコロ)奇数。

イーサ:
 なんてこった……。

GM:
 では、イーサとエルドがカップルを装って憩いの森に入っていくと、入り口正面の突き当りは石造りの壁となっており、そこに金属のプレートでできた案内板がはめ込まれているのがわかりました。その案内板には共通語で次のような文字が書かれています。

 営業時間:21時~5時
 入室:50銀貨
 2時間毎の超過料金:50銀貨

GM:
 それ以外に目につくのは、案内板の横にある木製の引き戸と、その近くに設置された竜の顔をかたどった戸叩き。あと、右手には頑丈そうな木製の扉がありました。鍵穴の類は見当たりません。

エルド:
「中に入ろうにも営業時間外でしたね……」

イーサ:
「そうだな……」

エルド:
「この扉、開けられませんかね?」
 とりあえず普通に扉を開けようとしてみますが……。

GM:
 扉は押しても引いてもびくともしません。

イーサ:
 うーん。出口側に回ってみよう。そっちはどうなってる?

GM:
 出口も入り口と似たような作りですが、こちらにはプレートや引き戸、戸叩きはありません。出口側の扉も頑丈そうです。

エルド:
「こちらからも入れそうにはありませんね。怪しまれる前に戻りましょうか」

イーサ:
「うむ。そうしておこう」
 それじゃ、アゼルのいるところまで戻る。

アゼル:
「お帰り。どうだった?」

イーサ:
「営業時間外で入れなかった。入り口と出口の扉は頑丈そうで、とてもじゃないが無理やり開けられそうにないな」

エルド:
「天使の揺り籠のほうにも行ってみますか? もしかすると作りの異なる部分があるかもしれませんし……」

 同じでした。

宿の外観

イーサ:
「見た感じ、宿の出口だけ押さえておけばよさそうじゃないか?」

アゼル:
「そうだな。じゃあ、二手に分かれてそれぞれの宿の出口を見張ることにしよう」

イーサ:
「“センス・マジック”を使えるのは俺だけだが……」

エルド:
「それなら、僕はイーサさんと一緒に行動しますから、アゼルさんはひとりで見張りを務めてください。アゼルさんの持ち物に、僕が“サウンド・キャリー”を掛けておきますので、もし宿から出てくる人を見つけたら、それで教えてください。まだ日のあるうちに両方の宿から同時に人が出てくることはまずないと思います。もしあったとしたら、そのときは諦めるしかないですね」

イーサ:
「ふむ。そうするしかないか……」

アゼル:
「それじゃ、俺は閉めきりの部屋がひとつだけの憩いの森を見張ることにする」

エルド:
「わかりました。ならば、僕とイーサさんは天使の揺り籠を見張ります。アゼルさん、なにか小物を貸してください。それに“サウンド・キャリー”を掛けますから」

アゼル:
「小物ね……」
(所持アイテムを確認して)
「それじゃ、これに頼む」と言って、母親の形見の聖印を渡した。

エルド:
 では、エクステンションの補助石が嵌った杖を装備して、聖印に“サウンド・キャリー”を唱えます。(コロコロ)これで、4時間はこの聖印の近くで発せられた音を聞くことができます。

イーサ:
 もし、俺たちが見張るほうがあたりだったら、アゼルにはこっちの状況は伝わらないんだな……。

アゼル:
 まあ、仕方ないことだが、それはそれでちょっと寂しいな(苦笑)。


GM:
 では、あなたたちが見張りを続ける中、動きがあったのは、(コロコロ)15時ごろのことでした。天使の揺り籠の出口の扉が静かに開き、中からフード付きローブを羽織った人物がひとりだけ出てきます。

シーン外のアゼル:
 あー、やっぱりそっちか。まあ、部屋数からして確率的にはそうだよな……。

イーサ:
 “センス・マジック”を唱える。(コロコロ)発動。さあ、どう見える?

GM:
 まず、エルドの目にはその男の被ったフードの隙間から髭が垂れているのが見えました。そして、“センス・マジック”を使ったイーサの目にはその髭が白い光を帯びて見えます。

イーサ:
 おおッ! ついに見つけたぞッ!
「エルド。あいつだ。あいつの顔のあたりに魔法の反応が見える」

GM:
 その人物は宿を出ると高級酒場のある方向へと歩いていきます。走っているわけではありませんが、その歩みは速足です。

エルド:
 “バインディング”で動きを阻害しますか? その場合、瞑想する余裕はないので生撃ちになりますが。

シーン外のアゼル:
 ここで捕まえるのか? 追跡するんじゃなくて?

イーサ:
 これ以上泳がせてもなんのメリットもないだろ。ここで押さえよう! ダッシュで追いかけるぞ!

エルド:
 ダッシュですか……。僕、女装してるんですよね。スカートだと走りにくいと思いますが……。

GM:
 そういえばそうでしたね(笑)。では、エルドは実質敏捷度に-6のペナルティを負ってください。

シーン外のアゼル:
 そんなにペナルティつくのかよ! いまの言わなけりゃよかったな。

イーサ:
 まあ、いいじゃないか。それに、スカートを引き裂いて走りやすくする手もあるんじゃないか?

GM:
 いいですよ。でも、その場合には、タルカンから服代を請求されることになると思いますけどね。

エルド:
 賠償することになると高くつきそうなので、裾をまくりあげて走ることにします(笑)。

GM:
 了解です。ならば、スカートをたくし上げているあいだは実質敏捷度へのペナルティを-3に軽減していいですよ。そのかわり、両手は使えませんからね。

エルド:
 そうすると、ペナルティを入れて実質敏捷度13ですね。では、全力で追いかけましょう!

GM:
 はい、ではここから戦闘処理に入ります。フード付きローブを羽織った男までの距離はおよそ50メートルです。まだ店の開く時間帯でない歓楽区は閑散としています。イニシアチブ値を決定してください。

エルド:
(コロコロ)2。

イーサ:
(コロコロ)6だ!

GM:
 イーサの行動からどうぞ。

イーサ:
 “全力移動”で男の背後に迫る。15マス前進。

フード付きローブを羽織った男(GM):
 次はこちらの番ですね。さすがに全力で走ってきたイーサの存在には気がつきましたよ。あからさまに驚いた表情をして、こちらも“全力移動”で走り出します。13マス前進。

イーサ:
 次の俺の行動。“全力移動”でさらに15マス前進して、一気に男の前に出る。

エルド:
 イーサさん、足が速いですね。この状況で僕が追いかけてもいまさらな感じがするんですが、一応追いかけておきますか。“全力移動”で14マス前進。

フード付きローブを羽織った男(GM):
 イーサに前に出られた男は、「うおッ!」と声を上げると、慌てて身をひるがえし、“通常移動”で来た道を引き返します。7マス後退。そして、そのときにスカートをたくし上げて走ってくるエルドの姿を目にして驚愕の表情を浮かべました。
「なッ! なんだそりゃッ!」

一同:
(爆笑)

GM:
 いま聞こえた男の声は明らかにギズリのものでしたね。

シーン外のアゼル:
 いい絵面だな(笑)。

イーサ:
 “通常移動”で男の背後から隣接!

エルド:
 僕も“通常移動”で男の真正面につきます。

フード付きローブを羽織った男(GM):
 男はまだ頑張って逃げようとします。“通常移動”でエルドを避けてその後方へと移動しました。

GM:
 男のことを挟みはしましたが、“通常移動”を選択しているあなたたちは“離脱阻止”を行えません。

イーサ:
 なるほど。簡単には捕まえられないもんだな。それじゃ、今度は“迎撃移動”で距離を詰める。

エルド:
 なら、僕は“通常移動”で男の正面に回り込みます。これで次の男の行動が来ても“全力移動”で逃げられずに済みます。

GM:
 ここで男よりも先にイーサの行動です。前回のイーサの行動がウェイトの少ない“迎撃移動”だったため、行動順でまくりましたね。

イーサ:
 よし。もう一回“迎撃移動”して男に隣接。
「いい加減に諦めろ! もう逃がさないぞ!」

フード付きローブを羽織った男(GM):
 男は最後の望みをかけて、“迎撃移動”での離脱を試みます。回避値は(コロコロ)7。

イーサ:
 “離脱阻止”を実行。(コロコロ)14で成功。逃げようとする男の前に立ちはだかった。
「無駄だッ!」

GM:
 男の足掻きもここまでですかね……。ふたたびイーサの番です。

イーサ:
 このまま抑え込むことは可能か?

GM:
 もし抑え込みをするのであれば、まず素手攻撃を命中させ、続けて筋力による対抗判定でも勝つ必要がありますが、それでも行いますか?

イーサ:
 オッケー。

フード付きローブを羽織った男(GM):
 ならば、男の回避値は(コロコロ)5。

イーサ:
 素手攻撃は、(コロコロ)16で命中。筋力判定は(コロコロ)10!

フード付きローブを羽織った男(GM):
 こちらはの筋力判定は(コロコロ)6で失敗です。

GM:
 では、イーサに抑え込まれた男は、そのまま地面に倒れ込みました。その拍子にフードに隠れた彼の顔のあたりからなにかが取れて、音を立てて地面に落ちます。地面に転がったのは、舞踏会で用いられるようなアイマスク型の仮面でした。イーサの目にはその仮面が白く光って見えます。
 そして、仮面が外れた男の顔からは髭がすっかり消え去り、よく見知ったギズリの顔そのものになっていました。

イーサ:
「やはりギズリだったか」

エルド:
「やりましたね、イーサさん」

ギズリ(GM):
「くそッ! 放しやがれッ! お前ら、イスメト様に加担する気かよッ!」

エルド:
 ギズリさん、それは違います……。僕たちが加担しているのは、タルカン様ですッ!

一同:
(爆笑)

エルド:
 まあ、それはさておき、ここでは人目につくので場所を変えましょう。
「ギズリさん、あなたも目立つことは避けたい立場でしょうから、ひとまず場所を変えませんか?」

ギズリ(GM):
 エルドの言葉に、ギズリの表情が少し緩みました。
「イスメト様のところに連れていくんじゃないのか?」

イーサ:
「安心しろ。俺たちはあんたたちの身柄をイスメトに引き渡すつもりはない」

ギズリ(GM):
 その答えを聞くと、ギズリは抵抗をやめて大人しくあなたたちに従います。

イーサ:
 じゃあ、アゼルのところに向かって合流しよう。

エルド:
 その場を離れる前に、落ちた仮面を拾っておきます。

GM:
 了解です。では、所持品に“百面相の仮面(ディスガイズ・マスク)”を加えておいてください。

 こうして、無事にギズリを捕まえることに成功したイーサとエルドは、ギズリを連れてアゼルのもとへと向かいました。




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