LOST ウェイトターン制TRPG


宮国紀行イメージ

宮国紀行 第4話(02)

GM:
 さて、前回は――イスパルタ私兵団による拘束から解放されたアゼルたちではあったものの、ギュリスを護衛するためにシシュマンたちと別れてイルヤソールを目指すことになったことを告げると、セルダルからその日和見な行動を非難されたのであった――というところで終了していましたね。

アゼル:
 うむ。そのうち、コウモリ野郎と罵られる日が来るかもしれないな……。このままだと、ニルフェルを護衛する役目もセルダルに奪われそうだ。そうなったら、アゼルはパーティー離脱だな。

シーン外のエルド:
 セルダルさんがパーティーを去るのでなく、アゼルさんが離脱するんですか(苦笑)?

シーン外のイーサ:
 まあ、どちらかといえばセルダルのほうが主人公っぽいもんな……。

アゼル:
 もし、パーティーから離脱することになったら、俺は遺跡探索者になる! いや、ここはせっかくだから……探索王に俺はなるッ!

シーン外のイーサ&エルド:
(苦笑)

GM:
 まあ、そんな与太話は置いておいて、現在の状況を整理しておくと、場所はイスパルタ別宅前、時間は午前5時過ぎ、天候は晴天。その場にいるのは、アゼル、シシュマン、サブリ、ニルフェル、セルダルの5人です。市門は7時にならないと開きません。そして、街の外ではイーサ、エルド、ギズリ、ギュリスの4人が待っているわけですが、ギズリとギュリス以外の旅支度は整えられていません。そんな状況で、アゼルはまずなにをしますか?

アゼル:
 そうだな……。まずは旅支度を整えるために雑貨屋にでも行くとするか。

GM:
 雑貨屋は9時にならないと開きませんが、それまで待ちますか?

アゼル:
 じゃあ、9時まで待ってから雑貨屋に行こう。しかし、食料とか水はどれくらい買い込んで行けばいいんだ? ギュリスとギズリさんはどれくらい用意しているんだろう?

GM:
 彼らは10日分の保存食を2人分用意していました。片道10日の道程を想定していましたしね。それと、ギズリとギュリスはそれぞれ4リットル入る水袋を持っていました。水袋の中はほとんど空だったようですが……。

アゼル:
 10日分の食料と水か。結構かさばりそうだな……。

GM:
 前回のセッションのことなのでもう忘れているかもしれませんが、ギズリからロバを引き取ってくるようにお願いされていましたよね?

アゼル:
 あ、そうか。それじゃ、先に旅芸人一座のところに行ってギズリさんのロバを引き取ってこよう。荷物はそのロバに運ばせればいいな。

 こうして、アゼルは旅芸人一座でロバを引き取ると、雑貨屋で買い物を始めました。購入したのは10日分の保存食を3人分と、10リットルの容量がある特大サイズの水袋2つです。ちなみに、セルダルとニルフェルは自腹で旅支度を整えました。

アゼル:
 よし、買い物終了。それじゃ、ロバを連れて北門から市外にでる。

ニルフェル(GM):
 アゼルが北門へ向かおうとすると、ニルフェルが「兄さん、北門から出てしまっていいの? できるだけ行き先がわからないようにしたほうが良いんじゃないかと思うんだけれど……」と忠告してきます。

アゼル:
「なるほど。お前は聡いな。よし、それじゃ西門から出ることにしよう」

GM:
 では、アゼル、ニルフェル、セルダルの3人は西門からカルカヴァンを出ると、そのまま市壁沿いに北上し、北の農道に向かいました。
(ヤナダーグ・プラト地方北部の地図を提示して)
 そうすると、地図上のWW地点に到着するのは12時ごろになります。

ヤナダーグ・プラト地方北部地図01

アゼル:
 あ、その途中でニメット川から水を汲んでいくぞ。

GM:
 了解です。


GM:
 ここで、イーサたちのほうに視点を移しておきましょう。時間はさかのぼり午前5時ごろのこと、イーサ、エルド、ギュリス、ギズリの4人はWW地点に到着しました。

ギズリ(GM):
「よし。それじゃ、アゼルたちが来るまでここで少し休んでおくとするか」そう言ってギズリは荷物の中から2人用のテントを取り出すと、手早くそれを組み立てました。

ギュリス(GM):
 ギズリがテントを組み立て終えると、ギュリスは「あなたたちはイスメトの手の者が来ないか見張っててね」と言って、ひとりだけテントの中に入って休もうとします。

エルド:
「無理です。アリゲーターとの戦いで魔法を使いすぎてしまったので、いまのうちに寝ておかないといけません」

ギズリ(GM):
「そうだな……。それじゃ、見張りはオレがやっておくから、オマエらは休んでいてくれ。……悪いが、テントの外で……」ギズリが申し訳なさそうにそう言いました。

イーサ:
 さすがにギュリス嬢がテントを譲ってくれることはないか(苦笑)。

エルド:
 仕方ありませんね……。劣悪な環境ではありますが、なんとか精神点を回復させてみせましょう。

GM:
 アゼルが到着するまで6時間は休めるようなので、その分の回復判定を行ってください。

イーサ&エルド:
(コロコロ)精神点1点回復。

GM:
 では、アゼルたちが合流するまで時間を進めます。


ギズリ(GM):
 そろそろ12時を回ろうかというころ、単独で見張りを続けていたギズリが農道を北上して近づいてくるアゼルたちの姿を発見しました。

アゼル:
 ちゃんとギズリさんの相棒……えーと、アレキサンダーも連れてきたぞ。

GM:
 ギズリのロバはアレキサンダーという名前だったんですか……。まあ、いいですけど(笑)。

 なんの前ふりもなく、唐突にアゼルがロバの名前を呼んだこのシーンですが、宮国紀行では本編に悪影響がでない限り、こういった設定も積極的に採用していきます。しかし、カーティス王国風の名前としてはアル=イスカンダル、あるいは単にイスカンダルとしたほうがふさわしかったかもしれません(笑)。

ギズリ(GM):
「おッ! あれはアレキサンダーじゃないか!」

アゼル:
「おーいッ!」と言って手を振りながら近づいていった。
「すまない。旅支度をしていて遅くなった」

ギズリ(GM):
「いや、想定通りだ。アレキサンダーのこともちゃんと連れてきてくれたようだな」

アゼル:
 買ってきた旅支度の内容も伝えておこう。パーティー資源の情報共有だ。

ギズリ(GM):
 アゼルの買ってきた荷物を確認すると、ギズリは問題ないとうなずきました。
「これで食糧と水については大丈夫そうだな」
 そして、ギズリはたき火の周りで横になっているイーサとエルドの姿に目を落とします。
「さてと、こいつらはずいぶんと疲れてるみたいだが、いますぐ起こして出発するか? それとも、もう少し寝させといてやるか? お前も寝てなくて疲れてるだろ?」

アゼル:
「俺は大丈夫だ」

GM:
 本当に大丈夫ですか? たしかに精神点の消費はないんでしょうが、24時間寝ていないようであれば、疲労蓄積判定を行ってもらう必要がありますよ。それとも、雑貨屋が開くまでの時間、どこかで寝てましたか?

アゼル:
 あ、そっか。そういえば、昨日からずっと寝てないのか……。いや、きっと雑貨屋が開くまでは寝ていたに違いない。そういうことにしておこう。

エルド:
 アゼルさんは良くても、僕は精神点がほとんど残されてない状態なので、もう少し休ませて欲しいのですが……。

アゼル:
 んー。だが、休むにしても、もう少し街から離れたところで休んだほうがいいだろ。
「こいつらを休ませてやりたいのはやまやまなんだが、ここじゃカルカヴァンに近すぎる。イスメトやタルカンに悟られないように、まずは街から離れよう」

ギズリ(GM):
「それもそうだな……。わかった。それじゃ皆を起こすとしよう」
 こうして、ギズリは皆のことを起こしました。

アゼル:
 起きたイーサたちに、「疲れているところすまないが、もう少し街から離れるぞ」と声を掛ける。

イーサ:
「そうだな。あまりここに長居するのもよくないか」

エルド:
 僕は半睡半醒でゾンビのようにふらふらしています。

ギュリス(GM):
 テントの中から不機嫌な顔をしたギュリスも出てきました。
(不機嫌そうな声で)「おはよう……」

一同:
「……」

ギュリス(GM):
「お・は・よ・う……って言ってるでしょ!」

アゼル:
「……あ、ああ」

ギュリス(GM):
「なに、その生返事は?」

アゼル:
「いや……なんでもない……。悪いんだがこれからここを離れることにした。急いで準備をしてくれ」

ギュリス(GM):
 アゼルの物言いに、ギュリスはムッとした顔をします。
「……それよりも、まずはイスメトとの交渉結果を報告しなさい」

アゼル:
「あ、ああ……。イスメトはこちらの条件をのんでイスパルタに戻るそうだ」

ギュリス(GM):
「ふうん……」

アゼル:
「それで、話を戻すが、すぐにでもここを離れよう」

ギュリス(GM):
「……それはもうわかったってば。でもその前に、この先なにか決断しなくちゃならない状況に陥ったときに混乱を生じさせないためにも、まとめ役を決めておいたほうがいいんじゃない? いわゆるリーダーってやつ」

イーサ:
「なるほど……。たしかにまとめ役は必要だな。だったらギズリがいいんじゃないか? 旅慣れてるだろうし……」

ギズリ(GM):
「まあ、たしかに旅慣れてるってところは否定しないが、団体行動を仕切るのは得意じゃないんだよな……。それにほら、オレには戦闘時の判断はできないだろ。それだといざってときに困るんじゃないか?」
 ギズリは遠まわしにリーダーになるのを拒否しているようです。

アゼル:
 ここはPCの中からリーダーを決めておくべきだろ。
「それならイーサにやってもらうのがいいんじゃないか? これまで一緒に行動していてわかったが、ここぞというときにいい判断をする」

エルド:
「たしかにイーサさんならリーダーに向いてそうですね。僕も異論ありませんよ」

ギズリ(GM):
「旅程でわからないことがあったらオレがサポートするから、そこは任せてくれ」と言って、ギズリも後押しします。

セルダル(GM):
 セルダルは不服そうな表情を浮かべて事の成り行きを傍観しています。

ギュリス(GM):
 ギュリスは「フーン」と言ってイーサのほうへと目を向けました。

イーサ:
「俺はどっちでもいいが……。まあ、そこまで言うなら……」

ギュリス(GM):
「じゃあ、決定ね。これからはあなたがまとめなさい」

イーサ:
「わかった」

ギュリス(GM):
 イーサがリーダーの役目を負うことを承諾すると、ギュリスはイーサのそばまで歩み寄り、自分の腰につけていた短剣を外してそれをイーサに手渡しました。施された装飾から察するに、かなり値の張りそうな短剣です。
「あなたにこれをあげる」

イーサ:
「ずいぶんと高そうな短剣だが、なんでこんなものをくれるんだ?」

ギュリス(GM):
「あなたの持っている短剣、アリゲーター相手に全然歯が立たなかったでしょ? 護衛がそんなんじゃ、心許ないからね」

イーサ:
「なるほど……」

GM:
 ギュリスがくれたのは高品質+5のダガーです。威力に+5のボーナスが加わります。

ギュリス(GM):
「まあ、イルヤソールまで護衛してくれることに対する報酬の手付金だとでも思ってちょうだい。でも、あくまでも護衛に対する報酬なんだから、もし途中で役目を放棄するようなことがあったら返してもらうからね」

イーサ:
「わかった。それじゃ、ありがたく使わせてもらうことにするよ」

ギュリス(GM):
「ああ、それとアゼル。貸しておいた“蜃気楼の外套”を返してちょうだい。あれは万が一のときのためのあたし用の保険だからね」

アゼル:
「ああ」
 外套を返した。

ギュリス(GM):
 ギュリスはアゼルから“蜃気楼の外套”を受け取ると、それに鼻を寄せてスンスンと鳴らしてから顔をしかめて、「臭い……」と小さく呟きました。

アゼル:
「……」

イーサ&エルド:
(笑)

ギズリ(GM):
「よし、それじゃリーダーも決まったところで、農道の切れるところまで北上して、そこで休むことにしよう」そう言うと、ギズリは率先してテントを片付け始めました。

GM:
 そうやって、テントの片付けを終えたのが13時ごろ。それから、あなたたちはTW地点を目指してWW地点を出発しました。荷物は各自が持っているものとしてください。

 こうして行軍処理を行うために重量の確認を始めたのですが、その作業中にちょっとした問題が発覚しました。

アゼル:
 そういや、水や食料は各自が自分の分を持てばいいとして、テントはどうするんだ? いま、テント2つあるだろ。

GM:
 ギズリの持ってきていたテントはロバに載せることになりますが、そのほかにもイーサがもともと所持していたテントがあるんですね……。ロバにはテントひとつとほかの荷物に加えてギュリスも乗る予定なので、これ以上の荷物は載せられませんよ。

イーサ:
 2人用テントの重さって何キロくらいあるんだ?

アゼル:
 ルールブックには30キロって書いてあるぞ。

イーサ:
 え? そんなに重いのかよ! 俺はいままでそんなもん持ってたのか。いったいなに考えてんだ!?

アゼル:
 所持品に入れてたのはお前自身だろ(笑)。

GM:
 まあ、ここまで手荷物以外はシシュマンたちの荷馬車に載せてもらっていましたからね。

イーサ:
 おかしいな……。紐をほどいて投げれば広がるような携帯用テントをイメージしてたんだが……。

GM:
 そんなものあるはずないでしょう(笑)! カーボンやナイロンでできてるわけじゃないんですから!

イーサ:
 なるほど……。それじゃ、テントは捨てるか。これまで使ったことないしな。

アゼル&エルド:
(笑)

GM:
 これまでは隊商として行動していたため、個人所有のテントを使う機会がありませんでしたが、この先はそうもいきませんからね。テントの有無は睡眠時の環境ランクに影響しますよ。特に雨が降ったときなどは、雨を凌げる状況になければ休憩すらできませんからね。

イーサ:
 それじゃ、荷物運搬用にロバの購入を検討してみるか?
(ルールブックに目を通してから)
 ロバ1頭で800銀貨か……。

アゼル:
 800銀貨? 高いなぁ!

イーサ:
 いや、思いのほか安いだろ。

エルド:
 さすが、所持金に余裕のある人は言うことが違いますね(笑)。

アゼル:
 じゃあ、リーダーにロバを買ってもらうとするか。だとしても、イルヤソールに到着するまで、途中でロバを買えそうな場所はないけどな。

イーサ:
 そっか。そうだな……。うーん、じゃあ、やっぱりテントは捨てていくか……?

アゼル:
 2人用テントは200銀貨もするのに、もったいないな……。

 この後、しばらくのあいだ荷物の分配について話し合いが続くことになります。しかし、GMが行軍処理の準備を行っているあいだPCたちだけに話し合いを委ねてみたものの、一行に進展は見られませんでした……。

GM:
(行軍処理の準備をひととおり終えてから)
 ……仕方ないですね……。では――

ギュリス(GM):
 ギズリの連れているロバにまたがっていたギュリスが、荷物の分配で四苦八苦しているあなたたちを見かねて、ロバを降りました。
「なに、そのテントは? まったく、余計なものをもってきたもんね……。仕方ないから、このロバに積ませてあげる」そう申し出つつも悪態をつくのは忘れません。
「本当はあたしがロバに乗るはずだったんだからね」

アゼル:
「まあ、そう言うな(苦笑)」

ギュリス(GM):
「まったく、こっちは慣れない旅で足が痛むっていうのに……」
 ギュリスの恨み節はしばらく収まりそうにありません。

アゼル:
「うん……。まあ……。大丈夫だ。問題ない」

ギュリス(GM):
(声を荒げて)「はぁッ? 問題ないって、なにそれッ? あなたの頭の中身こそ大丈夫? どこか問題でもあるんじゃないの!?」
 いまのやり取りで、ギュリスはさらに不機嫌になったようです。

一同:
(苦笑)

 こうして、ギュリスの機嫌を損ねつつも行軍を開始した一行は、少し急ぎ足で北上していきました。


GM:
 さて、ここで少し周囲の状況がわかる描写を入れておきましょう。
 道中、農道の西側に広がる風景を眺めていたニルフェルが、このような言葉を口にしました。

ニルフェル(GM):
「とても豊かな農園ですね。こんなに広大な農園は見るのは初めてです」

GM:
 この辺り一帯は、カルカヴァンに暮らす裕福な上層民に従属する小作農夫たちが開墾している農耕地になります。この季節ですから、実っているのはトウモロコシでしょうかね。トウモロコシ畑の中には農作業にいそしむ人の姿も見えます。

アゼル:
「おお、よく実ってるな。うまそうなトウモロコシだ」

ニルフェル(GM):
「だからって、勝手に採っちゃだめだからね」

アゼル:
「わかってるって」
 俺は自分でも農作業してたからな。ファーマー技能がうずいて、興味深そうに畑を見てる。

GM:
 では、左手に農園を臨んで北上を続けていると、しばらくしたところで今度はギズリが声を発しました。

ギズリ(GM):
「おッ、見えてきたぞ! おい、オマエら、こっちを見てみろよ!」そう言って、ギズリは北東のほうを指さします。

GM:
 ギズリの指さす方向に目を向けてみると、そこには西日に照らされたボルグヒルド山の稜線が、薄っすらと浮かび上がっていました。

ギズリ(GM):
「あれがボルグヒルド山だ。話によると、この島にはあれより高い山はないらしい。つまり、あの山頂が最高峰ってわけだ」

アゼル:
「ああ、たしかそんなことが本にも書いてあったな」ってことくらいは知っていても構わないよな。

GM:
 はい、構いませんよ。

ギズリ(GM):
 ボルグヒルド山の雄々しさに目を細めるギズリは、そのまま言葉を続けます。
「子供のころは大人になったら登頂してみたいと思って眺めてたもんだが、残念ながらあそこには登れないんだよな……」

アゼル:
「ほう。それはなぜだ?」

ギズリ(GM):
「山頂付近から毒ガスが発生していて、中腹以上には足を踏み入れることができないからさ」

イーサ:
「なかなか凄い山なんだな」

ギズリ(GM):
「まあ、山頂付近はアレニウス王国で信仰されてるブルーノっていう神様の聖域らしいからな。一応、特別な方法を使えば山の中に入っていけるそうなんだが、さすがにそれがどんな方法なのかってところまではオレも知らない。あと、そのボルグヒルド山の裾に広がっている森がウルム樹海だ」

GM:
 地平線近くまで視線を落とすと、そこには緑色のラインが見えます。

ギズリ(GM):
「まだカルカヴァンが遷都する前、この土地がカーラ神の勢力下にあったころは、成人を迎えた男たちが樹海に入って猛獣を仕留めてくるっていう儀式を行ってたそうだ。最近じゃ、そんな習慣もなくなっちまったけどな」

エルド:
「ということは、樹海近くには危険な獣が多くいるということでしょうか?」

ギズリ(GM):
「ああ。オオカミやクマのたぐいは間違いなく出るだろうな。だが、それ以上に気をつけなくちゃならないのが、樹海の奥にある聖域内に住む魔獣だ。まあ、聖域があるのはずっと奥のほうだけどな。そんなところに好んで入ってくのは、アルのような聖域探索を生業にしてる奴らくらいなもんさ」

アゼル:
「聖域か……。一度行ってみたいもんだな……」

GM:
 そんな感じで、周囲の風景を眺めつつあなたたちは北上を続けました。歩いている途中、ニルフェルはギュリスとなにやら話をして交友を深めていたようです。その一方でセルダルからはいつもの気さくさが感じられず、ずっと無言のままでした。

アゼル:
 無言の圧力をひしひしと感じるが、まあいい。放置する。

GM:
 こうして、19時半ごろに農道の終点であるTW地点へと到着しました。

ヤナダーグ・プラト地方北部地図02

 ちなみに、リプレイに書き起こすにあたって省略していますが、敵との遭遇判定や疲労蓄積の計算、天候予測などの判定は都度行っています。




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