GM:
それでは、宮国紀行の第5話を開始します。よろしくお願いします。
一同:
よろしくお願いします。
GM:
まずは恒例となりつつあるルール修正について説明します。
第5話から適用されたのは以下のルールです。
GM:
戦意喪失で一発退場を強制されてしまうとロールプレイ的に困ることが多いので、ペナルティを受け入れるのであれば踏み止まれるようにしました。
アゼル:
おおッ。これで今後は戦場から逃げださずに済むな。どうせ俺の精神点は使い道なかったし。
GM:
まあ、それはそうなんですが、委縮状態によってダイス目に-1のペナルティが科せられるということは、戦闘レベルが1低下するようなものです。さらに、この萎縮のペナルティは士気判定に失敗するたびに累積していきますので、よほどのことがないかぎり、士気判定に失敗したら撤退することをお勧めします。
イーサ:
士気判定に失敗した対象に“サニティ”をかけて戦線復帰させた場合、そのペナルティはどうなるんだ?
GM:
“サニティ”にかぎらず、平静を取り戻した場合には戦意喪失状態と萎縮状態の両方とも解除されたことになりますので、その時点でペナルティはなくなります。
続けて経験点の配布を行います。まず、前回のセッションでセルピルの命を救うことに成功したので、ミッション成功経験点として500点を差し上げます。そして、戦闘経験点が130点。行軍経験点が204点。
イーサ:
行軍経験点ってそんなにもらえるのか。
GM:
第3話を開始したときにも、あなたたちはまったく同じことを言ってました。リプレイにも書いてありますので、読み返してください(笑)。
一同:
(笑)
GM:
あとは、各自1ゾロ・6ゾロで得た経験点をプラスしたうえで、PCを成長させてください。
アゼル:
やった! これでついにヘヴィ・ウォリアー技能をあげられる。“可能性”も回復だ。
エルド:
うーん、僕もライト・ウォリアー技能のレベルを上げれば“可能性”を回復させられるんですが、スカウト技能も伸ばしたいんですよね……。
イーサ:
ああ、そういえば最初の頃のエルドはスカウトとして活躍してたっけな。ここのところスカウトらしい行動はなかったが……。
エルド:
スカウト技能レベル1のままでは、隠密行動をとるのが難しいんですよ。
前回成長がなかったアゼルとエルドは、あれこれ悩みつつPCを成長させていきます。逆に前回1人だけ技能レベルを成長させていたイーサは、今回は残念ながら成長なしです。
アゼル:
よし、俺はヘヴィ・ウォリアー技能レベルを3にした。ヘヴィ・ウォリアー技能の行動オプションとして“防御重視”を習得する。どうせ俺の攻撃はなかなか当たらないし、だったら防御を強化しておいたほうがいいよな。命は惜しいし。
GM:
皆を守るためとかではなく、自らの保身を考えての選択なんですね……。
アゼル:
もちろん、本音としては自分の命が惜しいに決まってるじゃないか(笑)。
GM:
そういうプレイヤーとしての打算的な気持ちが、PCとしてのアゼルからも滲み出してるんですよ。そこは嘘でも、皆を守るためだって言っておかないと(笑)。
一同:
(笑)
GM:
何はともあれ、これでアゼルは戦闘レベルと戦闘技能レベルがどちらもレベル3に達したので、下級騎士と同等の実力を身につけたことになりますね。
イーサ&エルド:
おおー!(拍手)
アゼル:
ふっふっふっ。これで騎士とも対等に付き合えるな。
GM:
レベルは上がりましたが、立場は依然なんら変わりありませんから(笑)。
エルド:
じゃあ、次は僕のほうの成長報告を。僕はライト・ウォリアー技能とスカウト技能の両方をレベル2にしました。そして、ライト・ウォリアー技能の行動オプションは“移動回避”を選択します。これで魔法を回避できるようになりました。
GM:
“移動回避”は、“離脱阻止”や“範囲支配”などの移動阻害によってキャンセルさせられることもあるので、そこは注意しておいてくださいね。
エルド:
大丈夫です。“可能性”も回復しましたから。全部避けきってしまえば問題ありません。
セッションを重ねたことでPCも成長してきており、戦力がかなり充実してきました。アゼルとイーサは、すでに戦闘レベル・戦闘技能レベルともに3レベルに達しており、エルドを含めた3人組としての力量は、地方の新鋭として一目置かれるほどです。レベル5になると弟子をとってもおかしくないレベルとなるのですが、はたしてこのキャンペーン中にどこまで成長していくことができるでしょうか……。
こうしてPCの成長処理が終わったところで、イーサからGMに1枚の紙が手渡されました。
GM:
これはなんですか?
イーサ:
一応、イーサが旅にでることになったバックグラウンドをまとめてきた。これまでに発言してきた内容に矛盾が生じないように設定したつもりなんだが……。
GM:
なるほど……。
(渡された紙に一通り目を通して)
わかりました。できる限り、物語の中に組み込んでみます。ちょっと待ってくださいね……。
(目を閉じてしばらく考えてから)
ふむ、ストーリーの整合性はどうにかなりそうです。やってみましょう。
イーサ:
その紙に書いた内容って、アゼルとエルドにも話したほうがいいのかな?
GM:
それは自分で判断してください。ただ、もし話すのであれば、これまで公にしていなかったことなんですから、どうしてこの内容を話すことになったのか、そこに至るまでの自然な流れを演出していく必要はあると思いますよ。
イーサ:
ふむ……。
前回のセッション中に、GMからアゼルとイーサに対してキャラクターの土台固めをするように言っておきましたが、それに対するイーサなりの答えがこの紙だったようです。ちゃんと考えてくるあたり、イーサのプレイヤーは真面目です。せっかくなので、全面的に物語に組み込むことにしました。プレイヤー側からのアイディアを積極的に物語に反映されていけるのもTRPGの醍醐味のひとつです。