LOST ウェイトターン制TRPG


宮国紀行イメージ

宮国紀行 第5話(22)

エルド:
 GM、たしか荷馬車にはランタンが2つ付けられていましたよね? それって取り外し可能ですか?

GM:
 ええ。フックにひっかけてあるだけですからね。隣接して2ウェイト消費することで取り外し可能とします。

エルド:
 了解です。ならば、僕は荷馬車のところまでいったん戻ります。メフメトを止めるためには、まず明かりを確保しないと……。

 夜間に行動することがわかっていたのに、スペルリングに“ライト”を記憶させて来なかったのは失敗でしたが、その代わりに荷馬車のランタンを利用しようというのは、なかなかの好判断です。エルドが明かりを確保するまでの間、イーサとアゼルは軽戦士4人からの攻撃をなんとかさばききり、逆に軽戦士Aの戦意を失わせることに成功しました。

メフメト(GM):
 次はメフメトの番ですが……暗闇の中にいられる間に、もう一発魔法を撃ちこんでおきましょう。メフメトはアゼルに対して“エネルギー・ボルト”を放ちます。(コロコロ)直撃して、ダメージは9点です。

アゼル:
 う……。それで生命点が半減した。士気判定は(コロコロ)成功。やべぇ……。

 戦闘ログを確認していて初めて気がついたのですが、一見メフメトが的確にアゼルを削ってきたように思えるこの選択は、完全なるボーンヘッドです。この場面では、瀕死のイーサを狙うべきでした。これは単なるGMの見落としが原因なのですが、罠が思いどおり機能したことで、メフメトがハイになっていたのだと解釈してください(苦笑)。

メフメト(GM):
 アゼルが戦意を喪失しなかったことにメフメトは舌打ちします。
「チッ、こらえおったか……。じゃが、それも無駄な足掻きじゃ」そう言うと、メフメトは大きな声で号令を出しました。
「オマエたち、そろそろ出番じゃッ! 退路を断てッ!」

GM:
 メフメトの号令と共に、あなたたちの背後、この敷地の正門付近に新手の敵が5人ほど姿をあらわしました。全員、革鎧を身につけた軽戦士のようです。

イーサ:
 クソッ、まだいるのかよ!?

アゼル:
 ここはいったん俺が引き受けるから、とりあえずイーサは闇の中に入って隠れていてくれ。

イーサ:
 ……わかった。“迎撃移動”で明かりの外にでる。

 こうして、前方での戦闘でも完全に押された状態だというのに、後方も固められてしまいました。新手の敵の登場により、荷馬車の前で慌てふためいているサブリの身にも危険が迫ります。

メフメト(GM):
 では、そろそろトドメと行きますか。メフメトは4ウェイト“瞑想”します。

 物理攻撃ではアゼルに有効打を与えることができなかったので、メフメトは次に“ライトニング”を唱えようと考えました。しかし、魔法を発動させるよりも先にエルドが動きます。

エルド:
 GM、ランタンを投げたらどうなりますか? それで、周囲を照らすことはできませんか?

GM:
 うーん。そうですね……。投げたら、落ちたところでランタンのオイルが燃えあがり、30ウェイトの間、周囲を照らすということにしましょう。投擲距離は《筋力》メートルということで。

エルド:
 では僕の番、手に持ったランタンを、先ほど人の気配のあった方向に投げつけます。(戦闘マップを指さして)このあたりに投げます。

GM:
 了解です。では、投げつけたランタンの炎がオイルに引火して一気に燃え上がりました。そして、周囲が明るく照らし出され、その明かりの中にメフメトの姿が浮かび上がります(そう言って、メフメトのユニットを地図上に配置する)。

メフメト(GM):
 メフメトは、黒い肌に白髪の痩せこけた老人でした。マジック・ローブを羽織り、手には両手杖を握っています。

 ついに、その姿をみせたメフメト。実は、闇の中に入って隠れていたイーサの目と鼻の先にいたのです。メフメトと共に、燃え上がる炎の明かりに照らしだされてしまったイーサは、急いでメフメトから離れて、再び闇の中に身を隠しました(笑)。

ダット(GM):
 ちょうどそのとき、正門のほうから、「そこまでだッ、メフメトッ!」という聞き覚えのある声が響き渡りました。新たに登場したのは、ダットと彼が率いる重戦士たちです。

アゼル:
 おお! 俺たち側の援軍だと思っていいんだよな?

サブリ(GM):
「いったいぜんたい、どうなってるんだ!?」
 突如現れたダットたちの参戦に、サブリは状況を飲み込めずに混乱しています。

メフメト(GM):
「ダット。まさか、キサマ裏切りおったのか!?」

ダット(GM):
「裏切りだと? もとより、くみしたつもりなどないッ! なにより、貴様ら狂信者のやろうとしていることを、これ以上見過ごしておけるものかッ!」ダットはそう言うと、取り巻きの重戦士たちに命令を飛ばします。
「メフメトたちをここで殲滅する。1人として逃がすなよッ! いいなッ!」

ダット陣営の重戦士たち(GM):
 ダットの命令に、4人の重戦士たちが「おうッ!」と声をそろえて応じました。

 ダットたちの登場によって、正門側から迫っていたメフメトの部下たちの動きは抑えられました。

 戦闘開始直後に罠にはまってから、一方的に押されていたPCたちでしたが、ここからいよいよ反撃が始まります。その決起となる一撃を放ったのは、またもやエルドでした。メフメトが先ほどの“瞑想”を完成させる直前に、エルドの手番が回ってきます。

エルド:
 ついにチャンスが回って来ましたね。ここは精神点を10点消費して、生撃ちで“ファイア・ボルト”を放ちます。もちろん、ターゲットはメフメトで。

メフメト(GM):
 う……。さすがにそれを抵抗せずに食らうのは危険ですね……。仕方ないので、メフメトは“瞑想”を中断して魔法抵抗を試みました。魔法抵抗値は(コロコロ)20です。

エルド:
 20!? そんなに高いんですか!?

メフメト(GM):
 ダイスの目が良かったこともありますが、レベルが高いうえに、マジック・ローブを装備してますからね。

エルド:
(コロコロ)行使値12で抵抗されました。ダメージは……(コロコロ)あ……。クリーンヒットしていればクリティカルだったのに……。物理ダメージ13点に、魔法ダメージ5点です。

メフメト(GM):
 うわッ! 危ない! 抵抗に失敗してたら、一撃で落とされていたところでした(汗)。それでも生命点が半分以上削られたので、士気判定に入ります。(コロコロ)士気判定は成功。
「ぐふッ……。よ、よくもやりおったな……」

 このタイミングで、アゼルも――

アゼル:
 片手剣で軽戦士Dに攻撃。(コロコロ)命中して、ダメージは……クリティカル!(コロコロ)また、クリティカル!(コロコロ)もう一発、クリティカル! 合計35点ッ!

メフメト陣営の軽戦士D(GM):
 ブハッ(笑)! 35点って……。2回死んでお釣りがくるんですが……。(コロコロ)軽戦士Dは一刀両断されて絶命しました。

 さらに、援護に来たセルピルが“キュア・ウーンズ”の魔法でアゼルの生命点を回復させたこともあり、徐々にPCたちが優勢になってきました。

メフメト陣営の軽戦士C(GM):
 ここでメフメトが討ち取られてしまうと一気に勝負を決められてしまうので、軽戦士Cはメフメトの守りにつきます。“迎撃移動”でメフメトの隣に移動。

メフメト(GM):
 そして、メフメトの行動ですが……。
「むぅ……。背に腹は代えられぬ。ここは撤退もやむなしか……」
 生撃ちで“ダークネス”を唱えます。発動の起点は手に持った杖として、(コロコロ)発動。

エルド:
 自分でもやっておきながらこう言うのもなんですが、生撃ちは厄介ですね。

イーサ:
 だったら、こっちも生撃ちで“ライト”を唱える。
「ここでメフメトを逃がすわけにはいかないッ!」
(コロコロ)発動。

アゼル:
 おおッ! ナイスだ、イーサ!

 戦闘が中盤に入り、PCたちの行動に冴えが出てきました。しかし、それと同じ頃、後方の正門付近では――

メフメト陣営の軽戦士I(GM):
 軽戦士Iが重戦士Bに攻撃します。(コロコロ)命中して、1回クリティカル。ダメージは物理で12点!

ダット陣営の重戦士B(GM):
 それで、重戦士Bの生命点は半分以下となりました。士気判定は(コロコロ)失敗。
「くッ……。ダットさん、すみません。自分はいったん引きます!」

 ダットたちがおさえていた正門は幅が15メートルあり、彼ら5人全員が横並びになってようやくふさげるものです。ところが、1人欠けたことによって、その包囲網に穴が出来てしまいました。

メフメト陣営の軽戦士H(GM):
 包囲網に穴が開いたところで、軽戦士Hが“通常移動”を実行。正門を突破し、そのまま戦闘マップの外に出てしまいます。

エルド:
 あらら……。ついに逃げられてしまいましたね……。

イーサ:
 これで、こいつらに成りすましてバリス教団内に潜入するって作戦は使えなくなっちまったな……。

エルド:
 まあ、過ぎてしまったことは仕方ないので、せめてメフメトだけでも確保しましょう。

GM:
 一応、まだダットたちは逃走者の追撃をあきらめていないようですよ。

ダット(GM):
 ダットは、重戦士Aと重戦士Dに「この場は頼んだ。俺たちは逃げた者を追うッ!」と言って、重戦士Cと共に、逃走した軽戦士Hのあとを追いかけます。

 ここでダットが正門を離れたことにより、包囲網にはさらに大きな穴が出来てしまいました。しかし、1人でも逃がしてしまえば、ダットの行動がバリス教団過激派に悟られてしまいますので、ダットにとってこの選択は致しかたないものだったのです。そして、さらに本音を言えば、GMは一刻も早く戦場のユニット数を減らして楽になりたかったのです(笑)。

メフメト(GM):
「ふむ……。逃走の道が見えたのう。ならば……」
 メフメトは“通常移動”で正門近くの闇の中へと移動します。

アゼル:
 ヤバい! このままだとメフメトにも逃げられるぞ!

イーサ:
「逃がすかッ!」
 “インフラビジョン”を生撃ち。(コロコロ)発動!

アゼル:
 おおっ! 冴えてるな、イーサ。

GM:
 では、イーサは闇の中を視認することができるようになりました。メフメトの姿をはっきりととらえることができます。

 逃げるメフメトに、追うイーサ。両者ともすでに生命点が半分以下になるほどの深手を負っており、まさに命を懸けた追走劇となりました。

メフメト(GM):
 闇の中に入ったメフメトは、正門付近に残っているダットの部下たちへと目を向けると、「邪魔な奴らめ……。ワシの魔法でさらにこじ開けてくれるわい」とつぶやき、3ウェイト“瞑想”します。

エルド:
 また安全圏から魔法ですか……。極めて厄介です。

アゼル:
 そうはいっても、俺たちからは遠いから、どうしようもないな……。

イーサ:
 いや、まだ手はある! というか、メフメトを逃がさないためにはこれしかない。“全力移動”と併用してメフメトに“体当たり”してやる!

メフメト(GM):
 ここで“体当たり”ですか……。うーん、どのみちメフメトの回避力ではイーサの攻撃を避けられませんから、“瞑想”を維持したままこらえようとします。1ゾロ以外命中で判定をどうぞ。

イーサ:
(コロコロ)命中して、まず物理ダメージが4点。

メフメト(GM):
 ならば、メフメトは少しだけダメージを受けました。(コロコロ)ダメージによる士気判定と瞑想維持判定には成功。
 次は“体当たり”によって吹き飛ばされたかどうかを筋力による対抗判定で決定します。吹き飛ばされれば、問答無用で“瞑想”が中断されます。メフメトの筋力判定は(コロコロ)10です!

イーサ:
 うわっ! GMの出目いいな……。(コロコロ)こっちの筋力判定は6で失敗……。
(少し考えてから)
 ここで“プレアー”の効果を使って、判定をやり直す。

アゼル:
 がんばれ、イーサ!

イーサ:
(コロコロ)あーッ! 振りなおしたのに、やっぱり6で失敗。

メフメト(GM):
 ならば、メフメトはイーサの“体当たり”を受けても、“瞑想”を維持したままこらえきりました。

妖精石の取引場所B

 渋い活躍を見せていたイーサでしたが、いぶし銀の働きもこれまで。ここで、ギリギリの綱渡りに失敗した代償を払うこととなりました。

メフメト(GM):
 さて、それでは“瞑想”を完了したメフメトが魔法を唱えるのですが……。いいかげんに邪魔者を排除しておかなければなりませんね。イーサに対して“エネルギー・ボルト”を放ちます。
「この死にぞこないめがッ!」
(コロコロ)発動しました。

イーサ:
 まあ、そうくるよな……(苦笑)。魔法抵抗は――(と言ってダイスを振ろうとする)。

GM:
 ちょっと待ってください。イーサは先ほど“全力移動”してからまだ手番が回ってきていないので、魔法抵抗判定は行えませんよ。

イーサ:
 え……? あっ! そうだった……。

 “全力移動”と併用することではじめて実行できる“体当たり”は、一発逆転を狙える一手である反面、失敗した場合、完全な無防備状態となってしまう諸刃の剣です。使いどころは慎重に見極めましょう。

メフメト(GM):
 では、ダメージを決定します。“エネルギー・ボルト”のダメージは、(コロコロ)物理で9点です。

イーサ:
 うおー。マジかよ。生命点がマイナスに突入。

アゼル:
 おいおい、まだ生命点回復してなかったのかよ(汗)。

イーサ:
 メフメトの行動を阻止するのに手一杯で、そこまで手が回らなかったんだよ。
 生死判定は(コロコロ)なんとか成功したが、倒れた。今回の戦闘ではいいところなしだ。クソッ!

アゼル:
 序盤で冷静さを欠いていたのが敗因だったな……。

イーサ:
 マッド・サーバントの罠にはまって、余裕がなくなってたからな。クソッ、クソッ。

 イーサ本人はいいところなしとの自己評価でしたが、GM視点では結構良い働きをしていたように思えます。実際、イーサの行動があったからこそ、メフメトは幾度も魔法を唱える機会を逸していました。しかし、そのイーサが倒れてしまったことによって、それまで行動を阻害されることの多かったメフメトに余裕が生まれてしまいました。

メフメト(GM):
 ようやく安全を確保できたメフメトは、ここぞとばかり、5ウェイトの“瞑想”に入ります。
「まったく、目障りな奴らめ。ここを去る前に、目にもの見せてやるわい」

 この時点で、いまだにアゼルは屋敷の瓦れき近くで軽戦士たちとの戦闘を続けており、エルドもマンマークしてくる軽戦士Gとの戦闘を繰り広げていました。そのため、メフメトは誰からも阻害を受けることなく、まんまと長時間の“瞑想”を完成させてしまいます。

メフメト(GM):
 さて、無事にメフメトの“瞑想”が完了しましたので、闇の中から“エクスプロージョン”をお見舞いしておきます。発動起点は荷馬車の後方。エルドとサブリと重戦士Dの3人が範囲内に入ります。
「弾けとべッ!」
(コロコロ)行使値11で発動しました。

サブリ(GM):
 サブリは(コロコロ)魔法抵抗失敗。

ダット陣営の重戦士D(GM):
 重戦士Dは(コロコロ)こちらも魔法抵抗失敗。

エルド:
 これ、僕の位置だと、“移動回避”で“エクスプロージョン”の範囲外に逃れられますよね?

GM:
 はい、可能です。“移動回避”するのであれば、回避判定で“エクスプロージョン”の行使値以上を出してください。

エルド:
 念のため、“全力回避”も併用しておきます。(コロコロ)6ゾロで回避に成功しました!

アゼル:
 ここで6ゾロかよ! 爆発からダイブして逃れるなんて、格好いいな(笑)。

メフメト(GM):
 では、“エクスプロージョン”を食らったサブリと重戦士Dに対する物理ダメージは(コロコロ)11点です。

サブリ(GM):
 サブリの生命点は、それでマイナスに突入です。(コロコロ)サブリはその場に倒れて昏倒しました。

ダット陣営の重戦士D(GM):
 重戦士Dは生命点が半減して、(コロコロ)士気判定に失敗。逃走を開始します。
「ダメだ! やはり我々だけではメフメトに太刀打ちできん!」

 メフメト陣営とダット陣営のどちらも半壊し、いよいよ戦闘も終盤戦に突入しました。

アゼル:
 くぅ。早くこっちをなんとかして、メフメトを止めに向かわないと……。
 目の前の軽戦士Cに対して攻撃。(コロコロ)命中して、クリティカル! 物理ダメージは20点!

メフメト陣営の軽戦士C(GM):
「ぐわぁッ!」
(コロコロ)それで、軽戦士Cは絶命しました。

アゼル:
 よし、これでこっちは片付いた。

 目の前の敵を一掃したアゼルとセルピルは、正門へと急ぎます。

メフメト(GM):
 あらためて戦況を確認したメフメトは、「そろそろ潮時かのう」と呟いて、“ミラー・イメージ”を唱えました。(コロコロ)発動。

エルド:
 では、僕は敵が落としていった松明を拾って、それをメフメトの声がする方向に投げつけます。

GM:
 そうすると、正門東側一帯が松明の明かりに照らしだされ、メフメトと、その足元に倒れるイーサの姿が確認できました。

イーサ:
 うわっ、醜態を白日の下にさらされた(苦笑)。

アゼル:
「イーサッ!」

メフメト(GM):
 メフメトの姿は残像を伴っています。あなたたちにも、それが“ミラー・イメージ”による幻影であることはわかりました。

アゼル:
 “通常移動”でメフメトに詰め寄る!

 ようやくメフメトのそばに近づくことができたアゼルでしたが、メフメトの撤退行動のほうがほんのわずかに早く、目の前からスルリと逃げられてしまいます。

メフメト(GM):
 メフメトは“通常移動”で正門に向かいます。

エルド:
 僕は“瞑想”します。でも、もう間に合いそうにありませんね……。あーあ、こんなことなら“エネルギー・ボルト”をスペルリングから削除するんじゃなかった……。

アゼル:
 そういえば、エルドは“エネルギー・ボルト”を記憶させてなかったのか。

エルド:
 街での活動に“サウンド・キャリー”が必要だっていうから、代わりに外したんですよ。結局ほとんど使いませんでしたけど……。

GM:
 まあ、まだ逃げられたと決まったわけではありません。

ダット陣営の重戦士A(GM):
「メフメトッ! 逃がさんぞッ!」そう言って、重戦士Aが“迎撃移動”でメフメトの行く手に立ちふさがりました。

アゼル:
 俺も“通常移動”でメフメトに追いすがる。
「逃がすかッ!」

 こうして、メフメトの正面に重戦士Aが、側面にアゼルが立つ配置となりました。

メフメト(GM):
 では、メフメトの行動です。メフメトは“通常移動”で離脱を試みます。

ダット陣営の重戦士A(GM):
 それを重戦士Aが“離脱阻止”します。

メフメト(GM):
(コロコロ)メフメトは、“ミラー・イメージ”の幻影1体と引き換えに、重戦士Aの“離脱阻止”から逃れます。そして、ひとつ隣に移動して――

イーサ:
 あれ? アゼルは“離脱阻止”しないのか?

アゼル:
 俺は“通常移動”したあとだから“離脱阻止”できない……。

イーサ:
 あ、そうか……。

GM:
 ですが、地味にその位置取りが効果を発揮していますよ。

メフメト(GM):
 メフメトは、逃走ルートが限られているため、重戦士Aの左手に回り込んで正門を抜けようとします。

ダット陣営の重戦士A(GM):
 そこで、重戦士Aは“小移動”で横を向き、再度“離脱阻止”を実行。

一同:
 おおッ!?

メフメト(GM):
(コロコロ)その“離脱阻止”は、メフメトの2体目の幻影を掻き消しました。重戦士Aの攻撃を“ミラー・イメージ”によってなんとかしのぎきると、メフメトは闇夜の中に走り去ってしまいます。

イーサ:
 うわー。メフメトまで取り逃がしちまったよ……。

アゼル:
 一番逃がしちゃいけない奴を逃がしちまった……。失敗したな……。

エルド:
 やはり、序盤で後れを取ったのが痛かったですね。

GM:
 こうして、取引の場での戦闘は、メフメトたちの逃走という形で幕を閉じたのでした。




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