セルピル(GM):
調理場での戦闘が終わると、セルピルは“リプレニッシュ・ヘルス”でアゼルの傷を癒してくれます。(コロコロ)生命点を12点回復しました。
アゼル:
おお、一発で全快だ。やっぱり、“リプレニッシュ・ヘルス”は回復量が多いな。
イーサ:
俺も少しだけダメージを受けたから、自分自身を回復しておこう。“キュア・ウーンズ”を唱えて、生命点を(コロコロ)ちょうど2点回復。
アゼル:
「よし、それじゃ先を急ごう」
イーサ:
一応、調理場を出る前に気絶してる奴らのことを確認してみるんだが、そう簡単に意識を取り戻したりはしないよな?
GM:
ええ。ルール上は生命点が1以上まで回復しないかぎりは目覚めません。誰かに治療してもらうか、1時間ごとに行う生死判定で6ゾロを振らない限りは気絶したままですね。止血していないので、このまま放置しておくと逆に死ぬ可能性のほうが高いです。
イーサ:
なら、放っておいていいか……。
アゼル:
じゃあ、奥廊下に出ていいな? 俺が先頭に立って調理室から出て行く。ガチャッ(と言って扉をあける素振りをする)。
GM:
あ、いきなり扉を開けてしまいましたか……。
アゼル:
え? まずかった?
イーサ:
さっきの戦いで思いっきり叫ばれてたからな。敵が待ち構えていたとしてもおかしくないだろ。
アゼル:
あ、そっか……。でもまあ、仮にそうだったとしても、俺は“聞き耳”もできないし、仕方ないよな(笑)!
エルド:
“聞き耳”できる人間が隣にいるのに、なんで頼まないんですかねぇ……。
GM:
では、調理場から奥廊下に出るために扉を開けたところで、アゼルはラメラー・メイルを装備した男の強襲を受けることになりました。強襲者の装備は、さきほど調理場で戦った班長と同じです。“不意打ち”とはちょっと異なるのですが、待ち構えていた男に無条件で1回攻撃機会を与えます。
班長(GM):
班長のアゼルに対する攻撃の命中値は(コロコロ)10です。
アゼル:
(コロコロ)14で回避成功!
ここでは特殊な処理を採用しましたが、あらためて考えてみると、普通に“不意打ち”として処理して良かったかもしれません。その場合、アゼルの回避力が-4されたうえで、敵のクリティカル値は1つ良くなっていたはずでした。アゼルの回避値が高かったため、結果的には何も変わりませんが、そちらのほうが意表を突かれたということが数値に現れます。
GM:
では、ここからあらためて戦闘処理を開始します(そう言って戦闘マップを公開する)。
GM:
廊下の壁面には一定の間隔で照明が配置されていますので、明かりの問題はありません。班長の後ろに警備兵が1人見えます。
エルド:
こんな狭い場所じゃろくに行動できませんし、僕は10ウェイト“待機”してますね。この戦闘はアゼルさんにお任せします。
アゼル:
おおいッ! 俺1人で戦えっていうのかよ(苦笑)。
イーサ:
まあ、さすがに何もしないってのもなんだから、“隙を見つける”で援護くらいはしておこう。
ここでの戦闘は狭い廊下での戦いとなったため、先頭にいるアゼル以外は直接戦闘に参加できない状態となってしまいました。一応、誘導性のある魔法などで攻撃参加することはできたのですが、精神点が残り少ないエルドが精神点を温存することにしたため、戦闘は思った以上に長引いてしまいます。アゼルと班長はそれぞれ3回攻撃したものの、互いに決定的なダメージを与えられずにいました。
アゼル:
うーん、なかなか決着がつかないな……。いいかげん、そろそろ倒れて欲しいところだが……。班長への攻撃は、(コロコロ)命中して、14点のダメージ!
班長(GM):
それで、ようやく班長の生命点が半減しました。士気判定は(コロコロ)失敗。
怖気づいた班長は、アゼルと距離をとって離脱しようとします。
アゼル:
逃がさん! “離脱阻止”を実行。(コロコロ)成功。
班長(GM):
ならば、アゼルに足止めされた班長は、「ぞ、増援だ! お前たち、増援を呼んで来いッ!」と部下たちに指示を飛ばしました。
イーサ:
うおッ、さらに増援が来るのかよ……。そうなると、奥廊下が渋滞していつまでたっても先に進めなくなるぞ……。
アゼル:
だったら、増援が来るよりも早く敵を倒して進むしかないだろ。
班長に攻撃。(コロコロ)命中! ダメージは15点!
班長(GM):
(コロコロ)その攻撃で、班長は絶命しました。
警備兵B(GM):
「う、うわッ! 班長がやられたッ! たいへんだッ!」
班長が倒れたのを目にした警備兵Bは、増援を呼ぶべく中央廊下に向けて走り出します。
イーサ:
仕方ない。アゼルの言うとおり、殲滅速度をあげるしかないか……。班長が倒れてスペースができたし、ここで廊下に出ておこう。その後は“瞑想”。
アゼル:
俺も廊下に出て扉の前を確保。警備兵Aに攻撃する。(コロコロ)当たって、13点のダメージ。
警備兵A(GM):
その一撃で警備兵Aの生命点は半減しました。士気判定は、(コロコロ)成功です。
「ぐッ……。強い……。だが、これ以上は進ませんッ!」
イーサ:
雑魚のわりに結構粘るな。
なら、その警備兵Aに“エネルギー・ボルト”を撃ち込む。(コロコロ)抵抗されて、ダメージは8点。
警備兵A(GM):
警備兵Aはなんとか魔法の抵抗に成功したものの、それでもダメージを負ったので士気判定が入ります。(コロコロ)今度は失敗。
さきほどの言葉とは裏腹に、警備兵Aは思わず後ずさりしてしまいます。
アゼル:
うーん……。これ、いっそ逃がしちゃったほうが、邪魔者が減って先に進みやすくなるかもな……。
(少し考えてから)
……よし、今回は離脱を見過ごす。
警備兵A(GM):
了解です。では、警備兵Aはこの場から逃げ出しました。そのまま警備兵Aは中央廊下のほうへと向かいます。
こうして警備兵Aの逃走を許したアゼルは、続けて仲間を連れて戻ってきた警備兵Bにも深手を負わせ、警備兵Aのときと同じように、警備兵Bにも逃走を許しました。ところが……。
警備兵B(GM):
警備兵Bは、入れ替わりで前線に立つこととなった警備兵Cに対して、「俺は下の階に知らせてくるッ! その間、お前はここで奴らを足止めしといてくれッ!」と言うと、中央廊下のほうへは向かわず、螺旋階段に向けて真っ直ぐ走り出しました。
一同:
あッ……。
アゼル:
ありゃ……。そうか、それがあったか……。これ、逃がしたのはまずかったかな? 幹部連中に俺たちが城内に入ったことがバレちゃうんじゃないか(汗)?
エルド:
……いまさらそんなこと言っても、あとの祭りですよ。それに、たとえそれでどうなろうと、出てくる敵を全滅させれば済む話です。
アゼル&イーサ:
(苦笑)
アゼル:
まあ、たしかに、目の前の敵を倒していくしかないか……。
それじゃ、警備兵Cに攻撃。(コロコロ)命中。13点ダメージ。
警備兵C(GM):
その攻撃で警備兵Cの生命点はマイナスに突入しました。(コロコロ)絶命です。
GM:
警備兵Cを倒したところで、とりあえず視界に入る敵は殲滅しました。
おまけ:戦闘ログ、戦闘中の大まかな動き
イーサ:
よし、新手が来る前に、螺旋階段目指して突っ走るぞ!
アゼル:
おう! だが、俺が後ろだと移動速度の関係で置いていかれることになるから、先頭は俺な(笑)。
こうして眼前の敵を蹴散らした一行は、アゼルを先頭に、螺旋階段目指して奥廊下を走りはじめました。
GM:
奥廊下を走る途中、あなたたちの視界に、こちらに向かって中央廊下を駆けてくる警備兵たちの姿が入ります。
エルド:
やっぱり来ましたか。このまま奥に進んだ場合、挟み撃ちされることになってしまいますね……。
(少し考えてから)
中央廊下の扉を閉めて、こちら側から鍵をかけることってできるんでしょうか?
GM:
中央廊下に続く観音開きの扉は、あなたたちから見て内側に開いています。現在の場所からだと、鍵はよく見えませんね。
イーサ:
城内の深部に続く扉だ。鍵がないってことはないだろう。そういうことであれば、この中で一番足の速い俺が扉を閉めてくる。
GM:
いいでしょう。ならば、それに関しては判定の必要もありません。イーサは、警備兵たちが駆けつける前に扉を閉め、鍵を掛けることに成功しました。
この後、奥廊下の途中にもう1つ扉があったため、一行はそちらの鍵も閉めたうえで先を急ぎました。
GM:
では、あなたたちは螺旋階段を逆時計回りに下って行きました。後方から追撃してくる者たちの気配は感じられません。どうやら、扉を閉めたことによって無事に足止めできたようです。しかし、しばらく螺旋階段を下って行ったところで、今度は目の前にバリス教団の兵士が立ちはだかりました。
アゼル:
もしかして、さっき逃げていった奴か?
GM:
いえ、チェイン・メイルを装備してるので、別の兵士ですね。彼はサーラール一派の小隊長です。
エルド:
徐々に敵のランクが上がってきてましたね(笑)。
小隊長(GM):
小隊長はあなたたちの前に立ちはだかると、「ここは通さんッ!」と凄んでみせました。
GM:
小隊長の背後には、頑丈そうな扉が見えます。それと、螺旋階段はまださらに地下へと続いています(と言って戦闘マップを広げる)。
では、ここから戦闘処理に入ります。
エルド:
一番手は僕ですね。では、“迎撃移動”で小隊長の真ん前に移動します。
アゼル:
うおッ! 小隊長に接敵するのかよ。パーティーの中じゃ一番レベルが低いはずなのに頑張るなぁ。もしかして、ここは自分に任せてみんなは先に行ってくださいってやつ(笑)?
エルド:
別にそれでも構いませんよ。そうなったら、僕はここで延々と小隊長相手に戦ってますから。
GM:
さて、それではそこまで移動したエルドは、《スカウト技能+知力ボーナス+2D》を目標値7で行ってください。
エルド:
ん? いったいなんでしょう? (コロコロ)16で成功です。
GM:
ならば、エルドは螺旋階段のさらに下に、革鎧を着た警備兵が潜んでいたことに気がつきました。どうやら、彼は先ほどの奥廊下での戦いで撤退した警備兵Bのようです。
アゼル:
さすがにそれはヤバイッ! 警備兵Bが動く前に、エルドと警備兵Bのあいだに入っておかないと! 早く俺の番、回ってこい!
エルド:
そういうことであれば、僕のほうが“小移動”で警備兵側にずれます。そして、そのまま警備兵にダガーで攻撃。
小隊長(GM):
そうきましたか……。しかし、そうはさせじと、小隊長が“離脱阻止”をしてきました。(コロコロ)支配値は11です。
エルド:
“全力回避”でそれをかわします。(コロコロ)回避値13で成功! イェイッ!
イーサ:
さすがだな。
リプレイに書き起こしていて気がつきましたが、このエルドの行動処理は誤っています。エルドは最初に“小移動”と“武器攻撃”を併用することを宣言していましたが、その“武器攻撃”は“全力回避”と併用不可であるため、本来であればここで“全力回避”を用いることはできなかったはずなのです。行動オプションの併用ルールは少し複雑であり、このようなミスが発生することも少なくないので注意が必要です。
エルド:
そして、今度は警備兵Bに接敵しました。このままトドメを刺してやりましょう。攻撃は(コロコロ)命中。ダメージは5点です。
警備兵B(GM):
「クッ!」
エルドのダガーは、ほんの少しだけ警備兵Bを傷つけました。
アゼル:
じゃあ、俺は空いたスペースに移動して、小隊長に隣接する。
小隊長(GM):
ならば、小隊長はアゼルを前に、“攻撃重視”を宣言します。
こうして、エルドのトリッキーな行動に続いて、アゼル対小隊長の戦いが始まりました。
アゼル:
俺の攻撃。(コロコロ)命中して8点の物理ダメージ。
小隊長(GM):
小隊長は少しだけダメージを受けました。小隊長の攻撃。(コロコロ)アゼルに8点の物理ダメージ。
アゼル:
鎧で7点止めて、1点抜けた。なかなかいい勝負だな。
能力値的にはアゼルに分があるものの、2人の実力は肉薄しており、互いに金属鎧を身につけていたこともあって、この後、この戦いは均衡状態に入りました。その間に、警備兵Bと切り結んでいたエルドは……。
エルド:
警備兵Bに攻撃します。(コロコロ)命中して、ダメージは……(コロコロ)クリティカル! (コロコロ)もう1回、クリティカル! 合計17点の物理ダメージです。
警備兵B(GM):
(コロコロ)さすがにそれは絶命コースですね(苦笑)。警備兵Bは仰向けに倒れると、そのまま螺旋階段の途中まで転げ落ちていきました。
アゼル:
あいかわらず、エルドの爆発力は凄いな。もしかして、イーサよりもエルドのほうが軽戦士として優秀なんじゃないか(笑)?
イーサ:
実際、エルドのほうが軽戦士らしい動きしてるもんな(苦笑)。
数値だけで比べれば、イーサのほうが優れた軽戦士であることは間違いないのですが、イーサが比較的に安全志向であるのに対して、エルドは博打を好むためにそのようにみえてしまいます。そして、活躍の機会を奪われてしまったのはイーサだけでなく、小隊長と白熱した戦いを続けるアゼルに対しても……。
エルド:
あの……アゼルさん、まだ続ける気ですか? 雑魚相手に手間取り過ぎですよ。僕が次に行動するまでの間に倒せないのであれば、魔法でトドメを刺してしまいますからね。
アゼル:
うっ……(汗)。ちょっと待ってろ、いま倒すから。
俺の番、小隊長に攻撃。(コロコロ)……失敗。
エルドのプレッシャーを前にして、アゼルのダイス目は走りません(苦笑)。そして、エルドの番が回ってきました。
エルド:
……ふぅ……。それじゃ、宣言通り、4ウェイトの“瞑想”に入ります。もういい加減、終わらせましょう。
アゼル:
いや、まだだ。まだ、エルドが“瞑想”を完成させるまでの間、チャンスはある!
もう1回、小隊長に攻撃。(コロコロ……出目は1ゾロ)うおーッ、ここで1ゾロかよーッ!
イーサ&エルド:
(爆笑)
容赦ないダイスの神様のこの仕打ち。できすぎです(笑)。
エルド:
さて……それじゃ、僕の番ですね……。“瞑想”を完成させて、“ファイア・ボルト”を小隊長に放ちました。(コロコロ)クリティカルして、物理ダメージが14点と、魔法ダメージが7点です。
イーサ:
ここでもクリティカルかよ。とんでもないな……。
小隊長(GM):
では、小隊長は数歩後ろによろめいて、扉に背をつけたまま崩れ落ちました。(コロコロ)昏倒です。
エルド:
どうです? これが偉大な魔法の力というやつです(ドヤ顔)。
アゼル:
やっぱり、エルドは軽戦士じゃなく魔法使いだな。魔法を撃ったときのほうがいきいきとしてる(笑)。
おまけ:戦闘ログ、戦闘中の大まかな動き
GM:
では、大きなアクシデントもなく小隊長を倒したあなたたちでしたが、ここからはどう進みますか? 小隊長が守っていた目の前の扉を開けて進むか、あるいは螺旋階段をさらにおりていくかの2つのルートが考えられますが。
アゼル:
まあ、本命は地下の最深部で待ち受けているのがお決まりだよな。そうすると、この扉の奥が牢屋か……。サーラールを倒してからサイとハシムを救出するか、もしくは2人を救出してからサーラールとの戦いに挑むか……。
「どうする? 俺は扉の奥に牢屋があるんじゃないかと思うが……」
イーサ:
「うむ……。だが、サイとハシムを救出したとして、サーラールとの戦いに参加させられるのか?」
セルピル(GM):
2人がそのように話していると、セルピルが、「サイとハシムは、五体満足ならアタシと同等かそれ以上の実力を持ってるよ。ただし、2人が扱える武器と防具があればの話だけど……」と口にしました。
あと、こうも付け加えます。「あ……。でも、ハシムだったら装備がなくても、そこそこ働けるか……。アイツは格闘家だからね」
アゼル:
どうだろう? 捕えられている場所の近くに2人の装備もあるんだろうか?
イーサ&エルド:
うーん……。
GM:
えーとですね……。どこぞのコンピュータRPGのように、捕えた相手の装備をご丁寧にも一式まとめて牢屋のそばに保管しておくことに合理的な理由づけができるのであれば、ぜひその理由を教えてください。もし、納得できる理由を提示してもらえたのであれば、その案を採用します!
アゼル:
ですよねー(笑)。
エルド:
「まあ、装備がなかったとしても、とりあえず救出だけはしておきましょうよ」
イーサ:
「そうだな。じゃあ、扉の先に進むぞ!」
こうして、一行はサイとハシムの姿を求めて、オズディル城地下1階を捜索することにしました。