途中参戦してきたレヴェントの刃によってイーサを欠くこととなった一行ですが、その後も、エルド、セルピル、ハシムの3人でなんとかレヴェントを倒そうと奮戦します。そして、アゼルもまた、重戦士とのいつ終わるとも知れない戦いを続けていたのでした。
セルピル(GM):
レヴェントの背面に立つセルピルは、“足捌き”を使って射線を調整してから矢を放ちます。(コロコロ)命中値は10です。
レヴェント(GM):
振り向いてウェイトを消費するのがもったいないので、レヴェントは背中を向けたまま、それを回避します。(コロコロ)回避力に-4のペナルティは入りますが、回避値11で回避しました。
アゼル:
うおッ、背後から攻撃しても避けられるのかよ……。
GM:
まあ、射撃はもともと命中力が低いですからね、じっくり“射撃狙い”を使ってから撃たなければ、格上相手にはそうそう当たりませんよ。
レヴェント(GM):
さて、セルピルの矢を避けたレヴェントは、そのまま側面にいるハシムに対して攻撃します。これも側面攻撃なので命中力に-2のペナルティを受けておきます。(コロコロ)命中して、ダメージは物理で9点。
ハシム(GM):
(コロコロ)ハシムは毒に対する生命力判定に成功。生命点が半減しましたが、士気判定にも成功です。
エルド:
僕は、もう一回レヴェントに“ファイア・ボルト”を放ちます。(コロコロ)う……出目が悪いですね。行使値は9です。
レヴェント(GM):
(コロコロ)レヴェントは“移動回避”でそれをかわしました。
イーサ:
俺は自分の番が回ってきたら、“通常移動”で礼拝堂の正面扉から戦闘マップ外に逃亡する。
「ダ、ダメだ、こんな奴に勝てるはずがない……」
GM:
了解です。どうやら、イーサは完全に心が折れてしまったようですね。
ハシム(GM):
一方、手傷を負ったハシムでしたが、彼はまだ愚直に拳を振るってレヴェントのことを追いかけ続けています。(コロコロ)攻撃は両拳ともミス。
レヴェント(GM):
ハシムの攻撃を避けたレヴェントは、反撃とばかりにハシムに攻撃……しませんでした。
アゼル:
ん?
レヴェント(GM):
その代わりに、レヴェントは左右の手に持った短剣をいったん鞘へと収めてから、再びそれを引き抜きました。鞘から引き抜かれた短剣の刃には、ドロリとした液体が付着しています。
アゼル:
なるほど。毒攻撃の効果は1回だけ有効で、鞘に収めると効果が回復するってわけか……。
エルド:
どうやら、無制限に毒を使えるというわけではなさそうですね。ではここで、僕は最後の“ファイア・ボルト”をレヴェントに撃ちこみます。(コロコロ)行使力は13です。
レヴェント(GM):
レヴェントの“移動回避”は(コロコロ)回避値17です。エルドの放った“ファイア・ボルト”をかわしきったレヴェントは、あなたたちの実力をはかり終えたとばかりに、少し落胆したような声でこうもらしました。
「遅い……。アナタたちの動きは、何もかもが遅すぎます」
すべての攻撃をやすやすと回避するレヴェントを前にして、GMもそれっぽい台詞を言わせ始めました。これが、強者の余裕です(笑)。しかし、この台詞はフラグでした……。
セルピル(GM):
続いて、セルピルがレヴェントの側面から射撃です。(コロコロ)命中値は10。
レヴェント(GM):
レヴェントは側面を向けたまま通常回避を……。(コロコロ)あ……。回避失敗。命中しました……。
セルピル(GM):
矢の物理ダメージは(コロコロ)7点。セルピルの放った矢は、レヴェントの頬を掠め、血をしたたらせました。それを確認したセルピルは、「油断大敵って知ってる?」と言って、したり顔を浮かべます。
一同:
おお!
レヴェント(GM):
セルピルの挑発に、それまで涼しい表情をしていたレヴェントは鋭い目つきでセルピルのことを睨み付けると、「後悔させてやる……」と口にしました。
ハシム(GM):
そんなレヴェントに対してハシムが“左右連足攻撃”。(コロコロ)命中値は12と9。
レヴェント(GM):
レヴェントの回避は、(コロコロ)11と13。あらら……。片方だけですが、またもや攻撃を食らってしまいました。
ハシム(GM):
(コロコロ)ダメージは物理で8点。レヴェントの横っ腹に拳を叩き込んだハシムは、「ドコ、見テルッ! オマエノ相手、オレ!」と言い放ちました。
一同:
おおおおッ!
レヴェント(GM):
レヴェントは身体をくの字に折り曲げて、苦悶の表情を浮かべています。
イーサ:
なんか、俺よりハシムのほうがよっぽど活躍してるよな。きっと、ハシムは俺よりもレベルが上に違いない。
GM:
いえ、ハシムのレベルは、イーサと同じですよ。今のハシムは何も装備していませんし、タイマンで戦ったら、ほぼ確実にイーサが勝つと思いますけどね(苦笑)。
イーサ:
あ、あれ? おかしいな……(汗)。
ここにきて、“狐の尻尾”のメンバーが大活躍です。ヤラセかと疑うくらいどんぴしゃのタイミングでした。TRPGのセッションではときおりこういった巡りあわせが発生しますが、そのときの盛り上がりようといったらたまりません。残念なのは、それを演じたのがNPCであったことです(苦笑)。
GM:
さて、このタイミングで、次は絶賛逃亡中のイーサの行動なのですが、あなたが礼拝堂の外にでて螺旋階段まで向かおうとしていると、階上から金属鎧の一団が迫ってくる音が聞こえてきました。まだ距離はありそうですが、このまま進むと間違いなく鉢合わせになるでしょう。
イーサ:
うわッ。足止めしておいたあいつらか!? 途中で分かれ道なんてなかったし、いったいどうやって逃げたらいいんだ?
エルド:
来た道を引き返せないのであれば、先に進むしかないでしょう。礼拝堂の北側には扉がありましたから、そこから逃げることが可能なんじゃありませんか?
イーサ:
あのバリス神像の後ろ側にあった扉か……。じゃあ、もう一度礼拝堂に引き返す。
GM:
了解です。ならば、イーサは“通常移動”2回分のウェイトを消費したあとで、戦闘マップに戻ってくることにします。
階上から迫りくる金属鎧の一団。実はこの戦闘の終了条件のひとつに、時間制限というものがありました。あらかじめ設定されたタイムリミットは90ウェイト。この時点ですでに67ウェイトが経過しており、戦闘終了の時間が間近に迫りつつありました。
レヴェント(GM):
さて、それでは、怒りで表情を崩したレヴェントがハシムに襲い掛かります。(コロコロ)攻撃は命中して、7点の物理ダメージ。
ハシム(GM):
(コロコロ)ハシムはそれで毒に侵されてしまいました。さらに、士気判定にも失敗です。
エルド:
あらら。ついにハシムさんも戦線離脱ですか……。かく言う僕も、すでに精神点が底をついてしまったので、できることがありません。まあ、せっかくなので、レヴェントに“隙を見つける”を実行しますか。(コロコロ)失敗……。
セルピル(GM):
続いてセルピルがレヴェントの側面から矢を放ちます。(コロコロ)命中値は10。
レヴェント(GM):
ハシムを無力化し終えたレヴェントは、今度こそセルピルのほうへ身体を向けて、正面でそれを回避します。回避値は、(コロコロ)んんッ!? 1ゾロです……。
一同:
(爆笑)
さすがにこれだけ判定を繰り返していれば、1ゾロのひとつくらい出るものですが、それが回避判定で出てしまうとは……。
セルピル(GM):
物理ダメージは(コロコロ)10点。
レヴェント(GM):
そのダメージで、レヴェントの生命点がついに半減してしまいました。(コロコロ)しかし、士気判定には成功です。レヴェントは肩口に刺さり込んだ矢を掴むと、それを力任せにへし折りました。
「クッ! 一度ならず二度までも……」
次のレヴェントの行動。彼は“左右連続攻撃”で、両手に持った短剣をそれぞれセルピルとエルドに投げつけます。ちなみに、セルピルに投げたほうの短剣の毒は、すでにハシムに対して消費してしまっています。(コロコロ)命中値はセルピルに対して18、エルドに対して13です。
セルピル(GM):
セルピルは(コロコロ)回避値6で被弾。鎧でダメージを減らして4点食らいました。
エルド:
僕のほうは毒付きなんですよね……。では、それを“全力回避”でかわします。(コロコロ)回避値は12。……ここは“可能性”を使って14にしておきます。回避成功!
アゼル:
ん? 両方の武器を投げたってことは、レヴェントはもう武器を持ってないってことか?
GM:
いえ。レヴェントの腰にはあと2本の短剣が提げられていますよ。
アゼル:
あ、やっぱり予備はあるのね……(汗)。
さすがに戦いの最中に武器を手放させてしまうほど、GMは優しくありません。内情を明かしてしまえば、レヴェントの装備していた短剣は、鞘に毒を補充しない限り、刃を鞘に収めての毒の再付着が1回しか行えないものであるため、用済みになった短剣を投げ捨てただけのことです。
こうして、レヴェントとの戦いも佳境に入る中、イーサが正面の扉から戦場に戻ってきました。
イーサ:
俺はバリス神像の後ろ側にある扉に向かって駆けて行く。
セルピル(GM):
イーサのことを視界に入れたセルピルは、「イーサッ、待ってッ!」と呼びかけて、イーサのことを追いかけます。白魔法を使えるイーサには、戦闘に復帰してもらわないと困りますからね。
イーサ:
これ、セルピルの言葉に耳を貸していいのか?
GM:
ルール上、戦意喪失状態は積極的な戦闘と自らの精神状態を回復させる行為が選択できなくなるだけです。敵が迫ってきたなら逃げるべきですが、味方の接近から逃げる必要はありませんよ。
イーサ:
そうか。それなら、立ち止まってセルピルのほうを振り向く。
セルピル(GM):
ならば、セルピルは“瞑想”して、イーサに“サニティ”をかけようとします。
エルド:
では、その間、僕は時間稼ぎをすることにします。“迎撃移動”でレヴェントに接敵します。運よく攻撃を当てることができれば、ひょっとすると倒せるかもしれませんしね……。
パーティー中もっともレベルの低いエルドですが、その行動力はどこか頼もしいです。このとき、わたしはそう感じていました。ところが……。
レヴェント(GM):
接敵してきたエルドに対して、新たな短剣を引き抜いたレヴェントが斬りかかってきました。(コロコロ)命中して、物理ダメージは8点です。
エルド:
それで僕の生命点は半分を切りました。(コロコロ)とりあえず、毒の抵抗には成功です。そして、士気判定には失敗しました。
(おもむろにガッツポーズを作って)
よし! これでいいっ! これがベスト! これで、毒にかからずして、堂々と戦場から撤退できます!
あれ……? 仲間のために身を投じたわけではなかったのですか(汗)? あいかわらず、エルドはどこまでが本気なのかよくわかりません。しかし、とにもかくにも、レヴェントがエルドに攻撃している間に、イーサは戦意喪失状態から回復することができました。
アゼル:
ついにエルドも戦意喪失か。イーサが戦線復帰したといっても、毒のペナルティがある状態だしな……。終わった……。こりゃ、終わったよ……。
イーサ:
いや、レヴェントにあと一撃入れることさえできれば、倒せるかもしれないぞ。なにせ、あいつの生命点もすでに半減してるからな。
アゼル:
あれ? そうだっけ? じゃあ、もう少し頑張ってみるか。
エルド:
まあ、僕は決着がつく前に逃げますけどね(笑)。
こうして、相変わらずのあきらめ癖を発症させるアゼルを励ましつつ、なんとか起死回生を狙ってレヴェントの背後に迫るイーサでしたが、イーサがレヴェントに斬りかかるよりもほんの少し早く、レヴェントの刃がアゼルへと振り下ろされました。
レヴェント(GM):
では、レヴェントの番。レヴェントは、毒の残っている左手の短剣でアゼルを背後から攻撃します。(コロコロ)命中値15です。
アゼル:
重戦士の“範囲支配”を振り切って、背後を振り返る。剣での“ディフレクト”は、(コロコロ)ダメだ……。10で食らった。
レヴェント(GM):
物理ダメージは(コロコロ)11点です。毒に対する生命力判定をどうぞ。
アゼル:
(コロコロ)失敗……。毒に侵された。
レヴェント(GM):
アゼルに突き立てた短剣に確かな手ごたえを感じたレヴェントは、その顔に満面の笑みを浮かべます。
「フッフッフッ。さてと……。どうやらここまでのようですね。ここからは一方的な殺戮ショーの始まりです。せいぜい、もがき苦しんで、このワタシを楽しませてくださいッ!」
アゼル:
こりゃ、完全に終わったな……。
GM:
――といったところで、戦闘開始より90ウェイトが経過しました。ここで、中2階にあたる回廊から、あなたたちにとって聞き覚えのある声が聞こえてきます。
イーサ:
おッ!? もしかして、ダットが駆けつけてくれたのか?
GM:
いいえ、違いますね。その声は、あきらかにダットのものとは異なる声でした。
礼拝堂での息づまる戦いの中に突如響いた声。その声の主はいったい誰なのか? オズディル城での戦いもいよいよクライマックスです。
おまけ:戦闘ログ、戦闘中の大まかな動き