エルド:
「……さてと。それじゃ、日も暮れてしまいましたし、今日はここらへんで野営することにしましょう。夜間の移動は危険ですからね。見張りは交代ですることにしましょうか」
イーサ:
「そうだな」
目的地まであと40キロか。未開地の行軍だから10キロの移動にだいたい3時間かかるとして、明日のまだ日があるうちにアジトを探せるようにしたいところだな……。
「よし、それじゃ、見張りは4時間交代で行うことにしよう。先に俺が見張りに立つから、エルドは休んでいてくれ。それで、明日は4時起きで、5時にはここを出発して、夕方までにカルマシャ半島に到着できるようにしよう」
エルド:
「わかりました」
それじゃ、アルゼを繋いでおけそうな立ち木を探して、その近くで野営することにします。
GM:
了解です。では20時から翌日の4時まで野営地で休むということで、時間経過による遭遇判定を行います。(コロコロ)ふむ……。イーサが先に見張り番を務めるということは、0時以降の見張りはエルドということになりますね?
エルド:
はい。もしかして、なにか出ましたか?
GM:
ええ、なにか出たようですね……。では、遭遇対象と反応を決定します。(コロコロ)なるほど……。では、エルドがイーサに替わって見張り番を務めはじめてから1時間ほど経過したころ、なにものかがあなたたちの野営地に接近してきました。(戦闘マップを提示して)戦闘マップ上にユニットを配置してください。ちなみに、戦闘マップ外の北側には海が広がっています。
GM:
配置が決まったら、次は不意打ち判定の対抗ロールを行ってください。目標値は14です。
(PCのデータを確認して)
……あ、やっぱり判定しなくていいです。2人ともハンター技能を取得していないので、たとえ6ゾロを出しても判定に失敗してしまうんですね。
エルド:
ひ、ひどい! GMには血も涙もないんですか!?
GM:
いやいや、いまさらそんなところを非難されても困ります(苦笑)。もし、“不意打ち”されたくないのであれば、ハンター技能を取得してください。……ですが、なんとエルドが連れてきたアルゼには判定の余地が残されています。
イーサ&エルド:
おおッ!
GM:
(コロコロ)あー、それでも13で目標値にはあと一歩届かず。というわけで、敵側の“不意打ち”から戦闘開始となります。
イーサ:
いったいなにが襲ってきたんだ?
GM:
あなたたちはまだ敵の存在に気がついていないわけなので、敵の確認はもう少し待ってください。
襲撃してきた敵(GM):
では、敵は“迎撃移動”でアルゼの背後から接敵してきます(と言って、草陰に配置した敵ユニットを9マス移動させる)。
エルド:
それだけ動いても“迎撃移動”なんですか?
GM:
はい。“迎撃移動”です。
イーサ:
もしかして、こいつ熊か? あいつら、結構動きが速いしな。
GM:
さあ、どうでしょうね?
襲撃してきた敵(GM):
そうこうしているうちに、アルゼの背後から敵がその鋭い爪で襲い掛かってきます! こいつの命中値は12です。
GM:
それに対するアルゼの回避判定は……と思いましたが、そういえばラバの戦闘データは用意していないんですよね……。面倒なので、敵の攻撃を受けて絶命したということにして構いませんか?
エルド:
なッ!? ダメです! ズェェェェェッタイにダメですッ! もしそんなことするなら、僕の1,000銀貨を返してくださいッ!
イーサ:
(笑)
GM:
わかりました(笑)。そういうことであれば、馬をベースにラバのデータをつくりますので、少し時間をください。
こうして、エルドの強い要望により、急きょラバのデータをつくることになりました。まあ、エルドが断固拒否した気持ちもわからなくはありません(苦笑)。
GM:
せっかくなので、アルゼの生命点だけは飼い主であるエルドに決定してもらいましょうか。馬の生命点は37点なので、ラバはそれよりだいぶ低いものとして……《4D》の合計値をアルゼの生命点としてください。
エルド:
了解しました。それでは……。えいッ!(コロコロ……出目は6、6、6、5)キターッ! アルゼの生命点は23点です!
イーサ:
高ッ! なんだ、このラバ(笑)?
エルド:
ふっふっふ……。どうやら、アルゼくんはアゼルさんよりも優秀な肉の盾になりそうですね(笑)。
GM:
それでは、あらためて敵の攻撃に対するアルゼの回避判定です。ここからは、アルゼの判定は飼い主であるエルドにやってもらいましょうか。“不意打ち”からの攻撃なので、回避力-4で判定してください。
アルゼ(エルド):
わかりました。でも、それって6ゾロ以外回避不可能って言いますよね? さっき6の目を奮発してしまったので、さすがにしばらく6の目はでなさそうですが……。(コロコロ)案の定、回避失敗です。
襲撃してきた敵(GM):
では、敵の爪攻撃によるダメージですが……。(コロコロ)クリティカルして10点の物理ダメージ。アルゼの生命点を7点奪いました。
GM:
さて、ラバには通常の馬と同じく“臆病”という特性をもたせておきました。そのため、1点でもダメージを受けたところで士気判定を行う必要があります。というわけで、士気判定をどうぞ。
アルゼ(エルド):
アルゼの精神抵抗力は0なので、それも6ゾロを出さないと失敗ですね。(コロコロ)やっぱり……。士気判定にも失敗しました。
GM:
では、戦意を喪失したアルゼは、次回行動から逃亡を図ろうとします。……ですが……ロープで立ち木に結わいつけられている状態なので、逃げられませんね……(苦笑)。
さて、敵の攻撃を受けたところでアルゼがけたたましい鳴き声をあげたので、ここで眠っていたイーサも目を覚ましてかまいません。そのタイミングで、ようやくあなたたちは敵の存在に気がつきます。イニシアチブ判定に加えて、動植物知識判定を行ってください。目標値は8・10・12です。
イーサ:
(コロコロ)イニシアチブ値は4。動植物知識判定は10で2段階成功。
エルド:
(コロコロ)僕のイニシアチブ値は2で、動植物知識判定のほうは6で失敗です(苦笑)。
GM:
ならば、エルドは襲ってきた敵の姿を見て、大きな猫だと思いました。一方、イーサはその動物がリンクスであるとわかります。LOSTでは結構メジャーな敵なんですが、今回のキャンペーンで登場するのははじめてだったかもしれませんね。
エルド:
どうやら、“ファイア・ボルト”が有効そうな相手のようですね……。
リンクス(GM):
さて、それでは続けてリンクスがアルゼに攻撃します。(コロコロ)アルゼに6点の物理ダメージを与えました。さらに連続して、リンクスが3回目の攻撃を行います。(コロコロ)アルゼに7点の物理ダメージを与えました。
エルド:
やけにリンクスの手番が続きますね。
GM:
“不意打ち”の効果と初期イニシアチブ値の結果に加えて、ネコ科の動物は総じて敏捷性に優れていますからね。あと、攻撃間隔の短い爪で攻撃しているのも影響しています。ですが、さすがにリンクスが4回目の行動に移る前に、イーサの行動順がまわってきました。
イーサ:
ようやく俺の手番か……。まずは身を起こす。
エルド:
なら、僕はリンクスのほうを振り向いて、“ファイア・ボルト”用に3ウェイト“瞑想”します。
リンクス(GM):
そのあいだに、リンクスは引き続きアルゼに攻撃します。(コロコロ)アルゼに7点の物理ダメージを与えました。さらにリンクスの行動が続きます。
イーサ:
また連続行動かよ! 恐ろしく素早いな。
リンクス(GM):
これが野生動物の力です(笑)。(コロコロ)今度はアルゼに8点の物理ダメージを与えました。
アルゼ(エルド):
その攻撃でアルゼの生命点がピッタリ0点になりました。生死判定は7未満で失敗ですが……。(コロコロ)8で成功です! 倒されはしたものの、なんとか一命は取りとめました。
イーサ:
うへぇ……。凄い勢いだな。襲撃されたと思ったら、すでにアルゼがやられてたって感じか。悠長なことしてると、このままアルゼにトドメをさされちまいそうだ……。俺は短剣を引き抜いて“小移動”でリンクスに接敵しておく。
エルド:
こんなところでアルゼをやらせはしません! 僕の番、“ファイア・ボルト”をリンクスに放ちます。
リンクス(GM):
リンクスの魔法抵抗値は10です。
エルド:
(コロコロ)行使値14でクリーンヒット! ダメージは物理で8点、魔法で1点です。
リンクス(GM):
その一撃は、リンクスにとって手痛いダメージではありましたが、まだ士気判定には至りません。
続いて、リンクスは接敵してきたイーサのほうを向くと、そのまま爪で攻撃します。
イーサ:
普通に“回避”する。(コロコロ)回避成功。
じゃあ、ダガーでリンクスに反撃。
リンクス(GM):
リンクスの回避値は14です。
イーサ:
まあ、予想はしていたが、やっぱり回避値が高いな。(コロコロ)おッ、15で命中! ダメージは8点。
リンクス(GM):
その攻撃でリンクスの生命点が半分以下になりました。士気判定は(コロコロ)失敗。ここから、リンクスは逃亡を開始します。
エルド:
逃がしません! “瞑想”3ウェイト。
イーサ:
俺も、逃げられる前にリンクスにもう一度攻撃しておく。(コロコロ)命中。さっきと同じく、8点ダメージ。
リンクス(GM):
うーん……。それでリンクス生命点はマイナスに突入しました。(コロコロ)生死判定には成功して昏倒です。
GM:
敵勢力が全滅したので、戦闘はここで終了です。今回の戦闘はギリギリ30ウェイト内に決着がついたので、戦闘疲労はたまりませんでした。
おまけ:戦闘ログ、戦闘中の大まかな動き
エルド:
ふぅ……。“瞑想”が無駄に終わってしまったのは残念ですが、早々に倒せてよかったです。危うく1,000銀貨の肉の盾を失うところでした(笑)。
イーサ:
そうだな(笑)。
(少し考えてから)
……ところで、このリンクスって手懐けてペットにするとかできないのか?
GM:
うーん……。“ファミリアー”を使うなどして使役するならまだしも、野生下で成獣となった獣は、滅多なことでは人になつかないでしょうね。
イーサ:
そうなのか。せっかく死なせることなく倒せたのに残念だな。
エルド:
そうですねぇ……。どうせこのまま放っておいたら死んでしまうのでしょうから、いっそのこと肉をさばいて食料にするというのはどうでしょう?
イーサ:
え……? こいつを食うの? ……まあ、食おうと思えば食えるんだろうが……(汗)。
GM:
えー。そんなことを相談するよりも先に、まずは血を流して倒れているアルゼのことをどうにかしてあげてください(笑)。放置しておくと、出血多量で死んでしまいますよ?
イーサ:
そうだったな(笑)。じゃあ、アルゼに“キュア・ウーンズ”を掛けておく。(コロコロ)6点回復。
GM:
それでアルゼの傷はふさがり、とりあえず出血は止まりました。しかし、まだ生命点は完全には回復しきっていません。
ここでイーサは、アルゼの生命点を全快させるため、“キュア・ウーンズ”を5回も唱えたのでした。
ちなみに、リンクスの扱いについては回復作業をしているあいだにうやむやになってしまい、そのまま放置されることになってしまいました(笑)。
イーサ:
「さてと……。これでアルゼはもう大丈夫だろう。アルゼには、これから荷物を運ぶために活躍してもらわないと困るからな」
エルド:
「ええ。アルゼくんが死なずに済んでよかったです。さて、それでは、イーサさんは引き続き休んでいてください。それと、戦闘もあったことですし、野営地からの出発時刻は少し遅らせませんか?」
イーサ:
「ん、そうだな。じゃあ野営時間を1時間延ばして、5時起床、6時に出発することにしよう」
GM:
では、エルドが見張りを続け、イーサが休むということで、あなたたちは翌日の5時まで野営を続けたのでした。