LOST ウェイトターン制TRPG


聖域の守護者イメージ

聖域の守護者 03.世界

GM:では、これから行うセッションの世界説明を行います。

 あなたたちが暮らしている世界には、つい百年程前まで人間と神が共に暮らしていました。神は歳をとらず、人間の理解を超えた不思議な力「魔法」を行使する存在です。神は人里から離れた聖域と呼ばれる場所に住んでいましたが、数ヶ月、数年くらいの間隔をおいて人間たちの前に姿を現し、人間たちに知恵を授けていました。それだけではなく、神は人々に癒しの魔法や守りの魔法も教えました。これらの神から授けられた魔法をあなたたちは「白魔法」と呼んでいます。それらの神の恩恵に報いるため、人々は神が必要とするものを貢物として献上したり、労働力を提供したりしました。両者は蜜月関係にあったといえます。

 世界にはそういった神が複数存在しており、それぞれに人間を従えていました。やがて神々は自分に従う人間に命じて勢力争いをはじめました。その争いにより勢力は徐々に統合されていき、現在の勢力図の原型がつくられました。

 神と人間の関係については戦国大名とそれに仕える家臣をイメージすると判りやすいと思います。神への信仰といっても特別な教義があるわけではありませんし、死後の魂の救済が約束されているわけでもありません。人々は純粋に自分たちに知恵や力を与えてくれた神の恩義に報いるべく進んで戦いました。この勢力争いは世界が統一されるまで続くかに思われました。

 ところが、ある日を境に神々は人々の前に姿を現さなくなります。もともと数ヶ月、数年に一度しか姿を現さない存在であったため、しばらくの間、人々は神々が消失したことに気がつきませんでした。しかし、以前は降臨を願う儀式を行えばそこまで長い時をおかずに姿を見せてくれていた神が一切姿を現さなくなり、それが十数年も続くと人々もいよいよおかしいことに気づき始めました。神を失った人々は一時的に勢力争いを止め、思考停止の時代が過ぎていきます。

 しかし、いつまでもそのまま立ち止まっている人間ではありません。また、神も何も残さずに居なくなったわけではありませんでした。神の住んでいた場所には神の所有していた魔法の物品が多く残されていたのです。各々の勢力によって考え方は異なりますが、神がいなくなった世界で、情勢が再び動き始めます。

 神の住んでいた聖域に残された物品を手中に収めようとする者。

 神の帰還を信じ、それまでに世界の統一を成し遂げようとする者。

 勢力争いから解放され、平穏な生活を求める者。

 神々の消失から百年。それがあなたたちの住む世界の現状です。

 なお、人間たちが聖域を探索して手に入れた、それまでに神が人々に教えなかった魔法を「黒魔法」と呼びます。黒魔法は主に物質や空間に影響を及ぼす魔法です。信仰の強い神に仕える者たちは黒魔法を「盗掘魔法」と呼び、忌み嫌っています。




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