LOST ウェイトターン制TRPG


聖域の守護者イメージ

聖域の守護者 04.国家

GM:続いて、あなたたちの暮らしている国家や時代を中心とした環境を説明します。あなたたちのうち三人は新興国であるレイフィールド王国の王都で暮らしています。

 GMはテーブルの上に勢力ごとに色分けされた世界地図を広げる。

GM:この地図全体で、だいたい日本列島くらいの大きさだと思ってください。

 レイフィールド王国はもともと女神クローディアの勢力でした。クローディアは神々のなかでも珍しい非好戦的な神で、他の勢力に攻め入ることもなく、自国の国力を高めることに力を注いでいました。しかし、クローディアが姿を消したあとに勢力を従えることとなったレイフィールド王は支配欲が強く、他国に比べて優位な技術力を武器に周辺諸国を次々に支配下に加えていきました。数十年にわたり快進撃を続けたレイフィールド王国でしたが、南方の国境が大国ギルモア王国と接することとなり、その急速な成長にも陰りが見え始めています。

 今から十数年前、先代の王であるレイフィールドV世は来るべきギルモア王国との対峙に備えて神の遺産を手中に収めようと聖域に進攻しました。兼ねてより他国では神の遺産を手に入れて軍事力を高めているという噂があり、ギルモア王国もそういった聖域を荒らして力をつけた国のひとつでした。ギルモア王国に対する力として神の遺産を求めたのは自然な流れだったといえるでしょう。しかし、神の遺産を手に入れるのは容易なことではありませんでした。

 聖域には神の住居を守る役目を担ったものたちがいます。たとえば妖精や妖魔、幻獣、巨人の類です。クローディアの聖域ではクローネの民と呼ばれる人間に似たものたちがその地を守っていました。レイフィールドV世の送り込んだ兵はクローネの民の激しい抵抗にあい、多くの兵力を失い撤退を余儀なくされてしまいました。

 また、この派兵はレイフィールド王国内のクローディア信者たちの反感を買うこととなり、レイフィールドV世の晩年の治世は穏やかなものとはなりませんでした。

 そして、レイフィールド王国が神の遺産を手にすることなく、レイフィールドVI世の治世となり、今からひと月ほど前のこと、ギルモア王国からレイフィールド王国にとって不利益な条件が盛り込まれた和平条約の締結が突きつけられました。もちろん断れば開戦は免れられないでしょう。神の遺産ほどの力がなければギルモア王国と戦をしても負けることは目に見えています。

 レイフィールドVI世が再度聖域への進攻を行うか、不平等な和平条約を締結するかで悩み、未だ答えを出せずにいるなかで、クローディア神の敬虔な信者や平和論者を中心とする穏健派は聖域への侵略行為に反対し、ギルモア王国との和平条約締結を訴え、対する強硬派はまとまった戦力で聖域へ侵攻し、神の遺産の力を得たうえでのギルモア王国との開戦を訴えています。

 これら穏健派と強硬派の意見は平行線を辿り、レイフィールドVI世の手前、表立った衝突はなかったものの、水面下では激しい牽制が続いているようです。

 レイフィールド王国に暮らす三人のプレイヤーキャラクター(以下PC)はこの穏健派に属する若者となります。そして、もう一人のPCが存在するんですが……。こちらはクローネの民です。プレイをはじめる前の情報としては以上ですが、何か質問はありますか

プレイヤーA:(世界地図を見て)ギルモア王国との国交が問題視されてますが、北にあるグランディ共和国は危険な存在ではないんですか?

GM:現時点ではグランディ共和国からの敵対行動はとられていないようです。ギルモア王国に比べると侵略国家というわけでもないですし。

プレイヤーB:神の遺産を軍事利用している国家はどれくらいあるんですか?

GM:西方のカーティス王国とギルモア王国が有名ですね。他の国に関してはあまり詳しくはわかりません。

プレイヤーA:国家間の力関係はどんな感じですかね。

GM:グランディ共和国を10とすると、レイフィールド王国が5でギルモア王国が7くらい、カーティス王国が6くらいですね。カーティス王国はレイフィールド王国を超える速度で急成長を続けるかなり好戦的な新興国です。

プレイヤーA:レイフィールド王国の東にある山脈は越えられるんですか?

GM:かなり高い山で、山越えしたという話は聞かないですね。

プレイヤーA:ということは東方諸国の介入は心配しなくてもいいのか……。




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