LOST ウェイトターン制TRPG


聖域の守護者イメージ

聖域の守護者 20.退避

 BGMは焦りを感じさせる曲。

GM:翌日、朝早くからクローネの民の退避が始まりました。一昨日に降った大雨と昨日の日中の気温上昇、そして夜間の冷え込みにより聖域の一帯はとても厚い霧に覆われています。敵に気づかれずに退避するには好都合な気候となりました。クローネの戦士たちがしんがりを務め、わずかな効果に期待して罠を仕掛けていってます。彼らは皆それなりのレンジャー技能を有しているようです。

クラウス:お祈り(白魔法の“ラック”)しておきます。(ころころ)。

アンリ:お祈りしておきます。(ころころ)成功。

GM:それじゃ、アルトも。(ころころ)。

ウィル&ゼオル:お祈りいいなー。

GM:では、クラウスはアンリとアルトのお祈りの様子を見ていたのでプリースト技能レベル+知力ボーナス+2Dの判定を目標値は10で行ってください。

クラウス:(ころころ)成功しました。

GM:そうすると、どうやら彼らは魔法石(魔道書と魔法の発動体を兼ね備えたもの)を身につけていないことに気がつきます。魔法石なしでも魔法を唱えられるようですね。他のクローネの民も同じようです。

クラウス:ああ、なるほど。すごい。

ウィル:ある意味、クローネの民自身が魔法石みたいなもんか……。

GM:(的確なたとえだな)。さて、そんなことを確認しつつ、退避が行われます。退避行動は数時間に渡り続きます。獣道以下の上り道を、東へ、南へ、東へ、南へ、東へ、南へ、東へ、北へ、東へ、南へ……という感じで――

クラウス:わからない(苦笑)。

ゼオル:今のをメモしておくと後で攻略できますよ(笑)。

GM:そうやって、ちょうど飛び石を伝って川を渡り終えたところで一度休憩を取ることとなりました。

ウィル:(川の深度を確認して)なかなか深いな。

GM:あなたたちが休憩を取っていると、前方から声が聞こえてきます。

クラウス:(サディアスの声色をまねて)実はお前たちが来るのを待っていたぞー!

ウィル:サディアス!?

ゼオル&クラウス:どうやってー!?(笑)

GM:(君たちサディアスネタ大好きだね(苦笑))。ではなくて、前方から「すみません、すみません」と言って三十歳くらいの女性が近づいてきます。あなたたちのところにも来て、アンリのことを見つけると、(少し焦った口調で)「すみません、アルヴィを見かけませんでしたか?」と声をかけてきます。アルヴィの母親ですね。「あの子、用を足すと言って列を離れたきり戻ってこないんです! こちらに来ませんでしたか!?」

ウィル&ゼオル:イベント発生!

アンリ:「来てないけど……」

GM:「あの子、どこに行ってしまったのかしら……」。あなたたちに一礼すると、アルヴィの母親はさらに列の後ろの方へと進んでいこうとします。

ゼオル:「アルヴィっていうのは?」

アンリ:「あなたたちを村に連れて来たときに、わたしに抱きついてきた小さな男の子です」

ウィル:「ああ、あのときの!」

クラウス:「リスを探しに行ったと話していた子ですか」と呟きます。

ゼオル:やや神妙な顔つきになった。

アンリ:「まさか、リスを捕りに……?」(しばらく考えて)「ごめんなさい!」と言って飛び石を跳んで川を渡り、来た道を戻り始めました。

GM(アルト):「おい、どこに行くんだ!?」

アンリ:「アルヴィは、きっとリスを捕りに行ったんだと思う。大丈夫、場所はわかっているから」

GM(アルト):「お前ひとりで行かせるわけにいくか。俺はお前のお目付け役だぞ」と言ってトンッと石を跳んで川を渡った。

ウィル:当然のようにアルトのあとをついてきます。

クラウス:「わたしたちもあなたたちと離れたらクローネの方に背後から撃たれかねませんからね」

ゼオル:「たしかにな。なら、同行させてもらうか」

アンリ:その言葉を聞いて、「そういえばわたしが居ないと、あなたたちが……」

GM(アルト):「少しは考えてから行動しろ」

アンリ:「ごめんなさい。でも、場所がわかるのは……」

GM(アルト):「クロリス狩りだと、あそこかあそこだな」

アンリ:「あの子言ってた……」。えーと、昨日言ってた場所は――

クラウス:「南側の崖を抜けたところ」とメモ帳を開いて呟いた。

ゼオル:「書き留めてたのか?」

クラウス:クラウスは研究者として貴重な文明に接していると考えているので、クローネの集落に入ってから今までの会話はほぼ一字一句もらさず書き留めています。(キャラクターシートをみて)崖の南って書いてある。

 一部の描写を除いてちょっと後付け的なところもありますが、クラウスが集落に入ってからのことを逐一メモに書きとめていたというのは研究熱心な彼の性格を考えれば納得できる話ではあります。正しくは「南側の崖」ではなく、「崖の手前を南に入ったところ」とアルヴィは話していたのですが、崖というキーワードが出てくればアルトが場所を特定してくれるでしょう。

GM:いいでしょう。本来であればゼオルに記憶術判定を行ってもらうところでしたが、クラウスのメモで場所を特定できたことにします。

ゼオル:記録してるって言われちゃなぁ(笑)。

GM(アルト):「ならばあそこだろう。しかし、すでにその地点からはかなり離れてしまった。敵が追ってきている可能性もある。急ぐぞ!」

GM:アルトは荷物を降ろして、あなたたちに武器を返します。

ゼオル:お帰り、俺のレイピア。

ウィル:「敵に見つかってなければいいんだが……」

アンリ:心配しながらその場所に向かって走ります。

GM:そうして、あなたたちはこれまで来た道を戻りはじめました。




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