厳かな神前を思わせるBGM。
GM:クローネの民が退避して無事にたどり着いた神殿ですが、雨風は十分に防げるものの細かい間仕切りなどはありません。パルテノン神殿とかをイメージしてもらうと近いと思います。プリースト技能を持っている人はプリースト技能レベル+知力ボーナス+2Dで判定してみてください。アンリは知っているので判定しないでいいです。
クラウス:(ころころ)これはっ! ギルモア王国の神殿の造りとそっくりです!(←嘘)
GM:……では、アンリだけがわかっていることですが、ここはかつて人間が女神クローディアに降臨を願うときに祈りをささげるための場所でした。
クラウス:こんなところにギルモア神殿のルーツがあったとは!(←嘘)
GM:……クローディア以外の神の聖域にも似たような施設はあるのでクラウスの発言内容もあながち間違っているとは言えないかもしれません。さて、それから数日、あなたたちはこの神殿で過ごすこととなります。数日経つので生命点と精神点は全快させて構いません。
クラウス:やったー! 超うれしい。
アンリ:クラウス、先読み?(笑)
クラウス:そこみゃで、ひろーはひてないれすよぉ。あはは。“ダークネス”を二回も唱えちゃいましたけど。このゲームでは不思議なことに“ダークネス”と“ライトニング”が同じ消費精神力で使えますからね。
ゼオル:まあ、発動までの時間が全然違うし。
アンリ:逆にあそこは“ライトニング”じゃ相手も引かなかったでしょう。
GM:それで、数日の間に何か行動する人はいますか?
アンリ:長老に話しがあります。
GM:了解です。他に何かないですか?
ウィル:もしできるのならアインと接触したいですが。
GM:アインと接触ですか。実に良いですね。他になければ順番的にアインの方を先に解決します。
アンリ:火中の栗を拾いに行ったね。
ウィル:(火中の栗を拾う真似をして)熱いっ! 熱いっ!
GM:では、ウィルがアインを探していると、見張り番のために神殿から離れた場所に居るという話しを聞けます。言われたところに行ってみると、少し小高くなって周りを見渡せるような場所にアインがひとりで居ました。ウィルが近づいていくと、剣を引き抜いてウィルの方に向けるのですが、顔を確認すると「お前か」と言ってその動きを止めます。
ウィル:飲み物とかを差し入れることって出来ますか?
GM:この神殿には適当な飲み物はないかもしれませんね。でも、あなたの持ち物の中にその手の飲み物があると思いますが。
ウィル:ええ、飲み物はあるんですが……それを注ぐための器とかはあるんでしょうか? 木の器とか。
GM:入れ物の方ですか。それならありますよ。
ウィル:では、「少し話しがしたいんだが、いいかな?」
GM(アイン):「こちらにはお前らと話すことなんて何もないぞ」
ウィル:そう言われてもすごすごと帰るわけにも行かないので、彼の方に近づきたいんですが、剣はまだ向けられたままですか?
GM:剣は下ろしてしまいました。
ウィル:時間的には夜ですか?
GM:数日間の中での出来事なので時間は何時でもいいですよ。
ウィル:では、少し暗くなった頃としてください。「温まるぞ」と言って葡萄酒の入った木の器を差し出しました。
GM:それは外界の葡萄酒ですよね?
ウィル:ここの地酒とかってあるんですか?
GM:あなたはまだ見たことはないですね。
ウィル:ですよね。もしあっても味も素っ気もないお酒って気がしますし。持ってきたのは外界の葡萄酒ってことになりますね。
GM:それでは、アインは差し出された木の器を手に取って(早めにウィルを追い払いたいので)中のものを一気に飲み干すのですが、飲んだ瞬間に彼の目の色が変わりました。「うっ、美味い!」
一同:(笑)。
GM(アイン):「これは……噂に聞く命の水か!? 美味い。もっとくれ!」と言って器を出しました。
ウィル:じゃあ、ドボドボドボ。(継ぎ足す仕草)。
GM:アインは外界の葡萄酒を随分気に入ったようですね。がぶがぶと飲んでいます。
ウィル:「おい、見張りなんだから、ほどほどに……(苦笑)」
GM(アイン):「こんな美味い飲み物があるなんて……」(舌で口の周りをなめてからウィルを見て)「で、話しってなんだ?」
ウィル:「今でも退避したことには反対しているのか?」
GM(アイン):「どっちが正解だったかなんて答えはでてないだろ」
ウィル:「もちろんそれはそうだ」
GM(アイン):「だったら俺は自分の考えを貫く」
ウィル:「そうか。まあ、とりあえずお前も他の民たちと一緒に来てくれてよかった。もしひとりででも残るとか言わたらどうしようかと思ってたんだ」
GM(アイン):「お前は俺を何だと思ってるんだ? 俺は聖域を守りたいだけだ。俺がひとりで集落に残ったところで聖域を守ることにはならないだろ?」
ウィル:「ああ、そうだな。だが先日のお前の勢いだとクローネの誇りを守るためには自らの命も顧みない……そんな風にも見えたんでな」
GM(アイン):「それは違う」(少し間をおいて)「聖域の外周にも小さな遺跡がいくつかある。俺たちがここまで退避してきちまった以上は、そこに安置されているクローディア様の遺産は外界の奴らの手に落ちることになるだろう。無論、周囲の小さな遺跡にはそこまで大きな力を持った遺産はないだろうが、それでもそれらが外界の奴らの手に渡るということは聖域の守り手である俺たちにとっては辛いことだ。お前らは俺たちにそういう選択をさせたんだ」
ゼオル:その場に入っていっても構わないですか?
GM:いいですよ。ウィルとアインが話しているところへ近づいてくる足音。それに反応してアインがピクッと動きました。
ゼオル:「おっと、俺だ。混ぜてもらってもいいか?」(ウィルに対して)「酒もってどこに行くのかと思ったらこんなところで飲んでやがるんだもんな」
GM(アイン):「なんだ、お前も何か持ってきたのか?」
ゼオル:「大したもんはないぞ?」と、外界のジャンクフード的なおつまみ(保存食、おそらくは干し肉)を出します。
GM:アインは出されたものを食べると「凄い! 美味いぞ!」と大喜びします。
シーン外のクラウス:しょっぱいものとか好きそうですよね。
GM:味のあるものは彼らにとってはとても刺激的です。
ウィル:食い物に弱かったのか(笑)。
ゼオル:濃くて食えたもんじゃないと言うのかと思ったらそんなことないんだな。
GM(アイン):「で、お前は何しに来た?」
ゼオル:「いや、ただ酒を飲みに来ただけだ」。場を和ませるために酒を飲んで時間を少し潰したあと、「ところで、この辺りというのは余所者でも結構簡単にたどり着けるところなのか?」
GM(アイン):「余所者がここまでたどり着くことは滅多にないだろうな」
ゼオル:カーライル女男爵の使者が来るまでということでここまでついて来たけど、使者が来ること自体が結構難しいような……。
GM:そんな使者のためにネズミが居るじゃないか。
シーン外のクラウス:なんとなく渡しておきましたが、渡しておいて良かったですね。
ゼオル:「ウィル。ひとつ聞いてもいいか?」
ウィル:「ああ」
ゼオル:「使者が来た後はもちろん直ぐ王都に帰るんだよな?」
ウィル:「合流後のことは使者と協議して決めるとなっていたからなぁ……。国王陛下が正規軍を派遣してくださり、オルコット大公の兵が聖域から撤退したのを見届けたらもちろん俺もこの場を去るさ。しかし、オルコット大公の兵がまたいつ襲ってくるかもわからない状態では、ここを離れるわけにはいかないな。そうだろ?」
ゼオル:「お前ならそう言うと思ったが、あまり……」(言い淀んで)「いや、なんでもない。どうでもいいことだな。すまなかった」
ウィル:「いや、構わないさ。俺の方こそお前をあの日無理やり穏健派の会合に誘わなければ、こんなことに巻き込まずにすんでいたかも知れないな。だが、巻き込んでよかったと俺は思ってる。俺ひとりじゃとてもここまで来られなかったからな」
ゼオル:「よく言う。まったく巻き込まれたほうの身にもなってみろ」
ウィル:「それは本当にすまないと思ってる」とゼオルに言ったあとに、あらためてアインの方を見て「先ほどの続きじゃないが、不本意な選択をさせる結果となってしまい、本当に申し訳ないと思ってる。しかし、国王陛下が必ず襲撃者たちを撤退させてくださるはずだ。それまでどうか一緒にクローネの民を、そして聖域を守って欲しい」
GM(アイン):「言われるまでもない。俺は俺の役目を果たす。それがたとえお前たちと違う選択であろうとも、同じ選択であろうとも、最善だと思えることをやる。それだけだ」
ウィル:「そうか」
GM(アイン):「そういえば、お前、なかなかの剣の腕前らしいな」
ウィル:いやぁ(照れる)。「なんだよ急に」
GM(アイン):「よかったら明日にでも手合わせしてみないか? 外界の戦士の腕前というのも見ておきたい」
ウィル:笑みを浮かべて「面白い! 俺もクローネの民の腕前がどんなものなのか見てみたかった」
GM:というところでシーンをカットしますがよろしいでしょうか?
ウィル&ゼオル:どうぞ。
GM:ちなみに、ファイター技能レベル+知力ボーナス+2Dで判定を行ってください。
ウィル:(ころころ)あれ、しょぼい。10です。
GM:それでもピッタリ成功です。それでは翌日行った手合わせで戦士アインがファイター3レベルであることがわかりました。
そんな感じでクローネとの友好を少しだけ深めたウィルとゼオルでした。