LOST ウェイトターン制TRPG


聖域の守護者イメージ

聖域の守護者 37.圧倒

 戦意高揚させる強襲を彷彿とさせるBGM。

GM:では、イニシアチブロールをどうぞ。

ウィル:(ころころ)3。

ゼオル:(ころころ)4。

クラウス:(ころころ)4。

アンリ:(ころころ)3。

GM:敵の装備の確認ですが、サディアスが青白い剣と光る盾を装備。ブラック・ナイトたちはプレート・メイル、ラージ・シールド、ブロード・ソードを装備。ちなみに、ベネット伯は大きなバスタード・ソードを背負い、普通の服を着ています。

ウィル:……服? 服なのか……。

GM:オルコット大公はローブを着ていて手に得物は持っていません。そして、勝利条件は敵を鎮圧せよ。

クラウス:殲滅せよではないんですね?

GM:はい、鎮圧です。

 こうして最終決戦の火蓋が切って落とされました。

 まずはウィルとゼオルが静観して敵戦力を調べます。その結果、ベネット伯が予想を超えるファイター技能を持ち、レンジャー技能3レベルであることと、サディアスがファイター技能6レベルであり、ソーサラー技能を持っていることが判明しました。

ゼオル:ブラック・ナイト四人の実力がサディアスに肉薄するって言われているということは……。

クラウス:6レベルファイター五人とか(笑)。(アンリを見て)蹴散らしてください、先生!

 クラウスは“ウィル・オー・ウィスプ”を召喚して敵の接近に備え、最大戦力であるアンリは“メテオ・ストライク”を唱えるために長時間の瞑想に入ります。

 敵後方ではベネット伯とオルコット大公が待機を続け、サディアスたち騎士の戦いを見守ります。ゼオルはオルコット大公の実力がファイター技能1レベルとソーサラー技能1レベルであることを見抜きました。

 サディアスとブラック・ナイトの四人はアンリの魔法対策として散会し、それぞれ間合いを詰めます。そんなサディアスに対して……。

ウィル:クロスボウでサディアスに対して攻撃します。(ころころ)17。

GM:それは、この魔法の盾で……あっ、命中しました。

ウィル:(ころころ)15ダメージ。

ゼオル:痛ってぇー!

 前回のデーモン戦での教訓を活かして、あらかじめクロスボウを装填しておいたウィルでしたが、その一撃が見事にサディアスに対するファースト・ダメージとなりました。その後、間合いを詰めるサディアスに対して、もう一度クロスボウを放ったのですが、そちらは残念ながら盾で防がれてしまいました。通常の戦闘能力ではサディアスの方が頭がひとつ抜きん出ているのですから、そうそうやられるわけにはいきません。

 この間に敵の接近を警戒したクラウスが自分に“シャドウ・ボディ”を唱えました。そして、サディアスたちとの間合いが狭まったところで……。

アンリ:えーと、ここ? ここに“メテオ・ストライク”を唱えます。(指定された範囲内にはサディアスとブラック・ナイトBが入っている)。魔力は(ころころ)20。

GM:サディアスは……抵抗に成功しました。ブラック・ナイトBは抵抗に失敗しました。

クラウス:魔力20に対してサディアスは抵抗成功?

GM:はい。

ゼオル:運が良かったとしか思えないな。

ウィル:いろいろ飲んでたり、身につけてたりするだろうし。

GM:そうですね、魔法の効果でサディアスが爆風に巻き込まれようとする瞬間に、彼の持っている盾がきらめいたのがわかりました。

GM(サディアス):「この盾が俺を守ってくれているのか?」

ウィル:それはまるでPCの台詞ですね(笑)。

クラウス:私たちの方が悪ですね(笑)。

GM:ガンダムがミサイルを盾で防いで、その爆煙を振り払って姿を見せるような感じですね(笑)。では、ダメージをどうぞ。

アンリ:(ころころ)23点ダメージ。

GM:了解です。ブラック・ナイトBが、23点……23点だと……(まさかとは思ったけど)……「ぐわぁぁぁッ!」。一撃で消し炭になりました。

クラウス:それはそうだ。問題はサディアスのほうですね。サディアスが落ちてしまわないか、ちょっと心配です。先にクロスボウが刺さってなかったら、こんな心配はしてないんですけど(笑)。

GM:(相手に心配されちゃってるよ(苦笑))。サディアスは抵抗に成功したので11点ですね。サディアスはあまり傷ついてないようです。「くぅッ!」。サディアスはあなたたちの方を睨み付けると「さっさとその深淵の力を止めろッ!」と叫びました。

クラウス:……すでにすべてわかってますから。

 サディアスの呼びかけに呼応するように、アンリのそばに立っていたゼオルが動きますが、それはアンリを止めるためではなくブラック・ナイトの接近を止めるためでした。ここにきてベネット伯やサディアスにも、ゼオルが強硬派にくみする気がないことがわかります。前線に出たゼオルはブラック・ナイトCの前に立ちはだかり、一対一で足止めしようと試みます。ブラック・ナイトの方がゼオルよりは上手ですが、ゼオルはここぞとばかりに回避専念と可能性を併用して相手の攻撃を次々にかわしていきます。

GM(ベネット伯):「ゼオル……あいつ、日和ったか」

クラウス:日和った、日和った(笑)。

ゼオル:「サディアス。悪いな!」とひとこと言った。

一同:(爆笑)。

GM(サディアス):「やはりかッ!」。苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべました。「しかし、深淵の力であろうとも、この剣と盾の力があれば!」

ゼオル:気持ちはわかる……。わかるが、限界があるから。

GM(サディアス):「この俺に魔法は通じんッ!」

ゼオル:なぜサディアスはこんなにヒーロー的なんだろう?

アンリ:それは、(サディアスのカードを指差して)あのルックスだからだよ。

ウィル:そして、ポジション的にもPCっぽい感じ。

ゼオル:主人公ポジションだよね。

GM:(そうかなぁ? 中間管理職ポジションだと思うけど(笑))

 そうこうしている間に、マンマークされていないブラック・ナイトのAとDがアンリに近づいてきます。クラウスが“ウィル・オー・ウィスプ”で攻撃しますが、ダイスの目が悪く、あまりダメージは与えられませんでした。そして、アンリのこの戦闘二度目の“メテオ・ストライク”が発動します。

アンリ:(ブラック・ナイトのCとDが入る範囲を指差し)“メテオ・ストライク”をここに着弾。魔力が(ころころ)……低い、16。

GM:おっ、それなら……ブラック・ナイトC、D共に抵抗成功です。

アンリ:(ころころ)19点ダメージ。

GM:19点の半分で……。それだと、ブラック・ナイトの二人はどちらも身構えたままですね。「ん? さては力が弱まっているのか?」

 二度目の“メテオ・ストライク”の魔力が低かったことで、ブラック・ナイトたちが勢いづきます。というか、GMがそういった感じで虚勢を張ってみせたのですが、実際にはあと一発“メテオ・ストライク”を唱えられたら終戦でしょう。

 前線ではウィルとゼオルがブラック・ナイトとの戦いを続け、ウィルがブラック・ナイトDを後一歩のところまで追い詰めました。一方のゼオルは、ブラック・ナイトCとの回避・防御合戦によるこう着状態となりました。そんな前線を抜けたサディアスが、ようやくアンリに接敵するのですが……。

GM(サディアス):「この女さえ仕留めれば!」

クラウス:“ウィル・オー・ウィスプ”を、どっちにぶつけようかな。サディアスには効きそうにないから、ブラック・ナイトDにぶつけます。(ころころ)魔力17。

GM:それは抵抗失敗。

クラウス:よしっ! (ころころ……ダイスの目はクリティカル)いよっしっ! (ころころ)……15ダメージ。

一同:ナイス!

GM:それでブラック・ナイトDは倒れました。

 深淵の力を解放しない場合でも作戦次第で勝てる可能性があるように調整されていた敵の戦力では、深淵の力を解放したウィルたちには太刀打ちできません。レイフィールド王国でも上位に数えられる腕前のブラック・ナイトたちがいともたやすく倒れていきます。圧倒的な力による蹂躙。プレイヤーの言うようにこれではどちらが悪役だかわかりません。これが伝説のオウガバトルだったらカオスフレーム(民衆の支持率)下がりまくり間違いなしの、民衆にはお見せできない戦いです(汗)。




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